アラビカ種とは?そのコーヒー豆の特徴と品種について

アラビカ種とは?そのコーヒー豆の特徴と品種について

コーヒー豆はよく産地によって分類されることができます。カフェに行ってコーヒー豆を買おうとすると、よくどこの国で取れたコーヒー豆かで「ブラジル」「ケニア」「インドネシア」などと分類されています。 しかし、それよりももう少し大きなコーヒー豆の分類として、そのコーヒー豆が何の原種なのかで分類することがあります。有名な原種は「アラビカ種」「ロブスタ種」「リベリカ種」の3つです。
今回はその中でもアラビカ種について、その特徴や栽培方法、どのような品種があるのかなどについて書いていこうと思います。
参照記事
リベリカ種はアラビカ種とロブスタ種に次ぐコーヒー三大原種

アラビカ種とは何か?その特徴について

アラビカ種とはひとことで言うとコーヒー豆の原種の1つです。コーヒー豆はもともとコーヒーノキという植物から採れるのですが、そのコーヒーノキはいくつかの種類に分類することができます。その中の1つがアラビカ種です。 世の中にはたくさんの種類のコーヒーノキがあるのですがその中でも大多数を占めるのが「アラビカ種」と「ロブスタ種」と「リベリカ種」です。この3つをまとめてコーヒーの3原種と呼ぶこともありますが、実際にはアラビカ種とロブスタ種だけで世界のコーヒー豆の99%を占めるとも言われています。 アラビカ種とロブスタ種を比べた場合にも、コーヒー豆の栽培においてアラビカ種の割合は60%近くあり、世界で最も生産されているコーヒー豆と言うことも出来ます。アラビカ種は栽培条件が厳しくて手間がかかり、かつ病気にも弱いです。
しかし、栽培条件の難しさと引き換えにコーヒーの味が美味しく、一般的に他の原種よりもアラビカ種の方が美味しくて品質が高いとされています。実際に日本で提供されているコーヒーもそのほとんどがアラビカ種のコーヒー豆を使用しています。
参照記事
コーヒー豆の産地と栽培条件の特徴について【保存版】

アラビカ種は栽培が難しい

アラビカ種のコーヒー豆は標高が1,000mを超えるような山岳地帯で栽培されるのが一般的であり、栽培と収穫には多くの労働力を要します。また、コーヒーの天敵である「さび病」をはじめとした病気にもかかりやすいので、栽培は極めて難しいです。

アラビカ種を栽培するための気温

アラビカ種のコーヒー豆を栽培する上で生産地の気温は極めて需要な条件になります。年間気温が18度〜21度の範囲に含まれている必要があります。また昼と夜の温度差が離れているという条件もあります。そのために夜は寒くて昼は暑い高地でアラビカ種のコーヒー豆は栽培されます。

アラビカ種を栽培するための土壌

アラビカ種のコーヒー豆を栽培する上でそのコーヒーノキが植えられている土壌も重要な条件になります。具体的には火山灰性の土壌が最も適した土壌と言われています。火山灰性の土壌はミネラル分を多く含んでおり、コーヒーノキに栄養分を供給するためです。

アラビカ種コーヒー豆の味

アラビカ種のコーヒー豆は他の原種のコーヒー豆と比べて栽培が難しいのですが、それと引き換えにコーヒーの味が美味しくなります。具体的には味についてはアラビカ種の中でもどの品種でどこの国で生産されたのかによって変わってくるので一概には言えません。 しかし、一般的にアラビカ種のコーヒー豆は豊かな風味が特徴で酸味が他の原種よりもしっかりとしています。アラビカ種のコーヒー豆を焙煎することでコーヒーの香り、苦味、甘みなどを十分に引き出すことができます。

アラビカ種の品種

アラビカ種のコーヒーノキはもともとはアフリカのエチオピアにあったのですが、そこから突然変異や交配を繰り返しながら世界中に広がっていきました。最近では交配に対する意識も高まっており、アラビカ種のコーヒーノキを交配させることで味が美味しくて病気に強いコーヒーノキの品種を生み出そうと研究されています。

アラビカ種の品種:ティピカ

アラビカ種のコーヒーノキの多くは「ティピカ」という品種から派生しています。チィピカは原種に最も近いとされており、このティピカをもとに交配などがされることが多いです。 香り、コクなどが他の品種よりも良いことから美味しい品種とされているものの、さび病をはじめとした病気に弱いのでアラビカ種の中でも栽培は難しいです。

アラビカ種の品種:ブルボン

アラビカ種の品種である「ブルボン」はティピカの突然変異であると言われています。ティピカに並んで昔からある古い品種であり、 ブルボン島から移植されたものが起源であることからこの名前がつけられました。 ブルボンもティピカと同様に味に優れた品種ではありますが、収穫量が少ないという難点もあります。かつて日本のUCCコーヒーがブルボン島で絶滅しかけていたブルボンポワントゥを復活させたことでも知られています。

アラビカ種の品種:カトゥーラ

アラビカ種の品種であるカトゥーラはブルボンの突然変異です。ブラジルで発見されたのですが、さび病などの病気に強いというのが最大の特徴です。ただでさえ栽培が大変なアラビカ種にとって病気に強いというのは大きなメリットだからです。 酸味と渋みが強いことがカトゥーラの味の特徴ではあるのですが、一方で栽培に多くのコストがかかってしまうというデメリットもあります。

アラビカ種の品種:ムンドノーボ

アラビカ種の品種であるムンドノーボはブルボンとスマトラの自然交配種です。病原菌に強くて栽培しやすいことが特徴であり、育成が少し遅いものの酸味と苦みのバランスが良く、栽培しやすい品種と言えます。

アラビカ種の品種:カトゥアイ

アラビカ種の品種であるカトゥアイはカトゥーラとムンドノーボの交配種です。病気や霜に強くて栽培しやすいという特徴があるものの、コーヒーの味はムンドノーボよりも落ちてしまうと言われています。

アラビカ種の品種:アマレロ

アラビカ種の品種であるアマレロはブルボン種の突然変異種なのですが、コーヒーチェリーが黄色であることで知られています。普通はコーヒーチェリーは赤色なのですが、黄色であることから、ポルトガル語の「黄色」という意味でアマレロと呼ばれています。

アラビカ種の品種:ゲイシャ

アラビカ種の品種であるゲイシャは近年かなり注目されています。パナマで多く生産されているのですが、生産性が低くて希少価値が高いのですが、フルーツのような柑橘系の香りが特徴です。 コーヒー豆の大会などで何度も優勝したことから世界中で知られるようになり、日本でもスペシャルティコーヒーを提供しているお店などでよく見かけます。 このようにアラビカ種は現在世界で最も生産されているコーヒー豆であり、栽培することは難しいもののその代わりにコーヒーの味は他の原種よりも美味しいとされています。いろんな品種のコーヒー豆があるので、自分の好みの品種を探してみると良いかもしれませんね。
参照記事
ゲイシャなどパナマ産コーヒー豆の特徴
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