アラミドコーヒーとは?猫の糞から作るコーヒー

アラミドコーヒーとは?猫の糞から作るコーヒー

アラミドコーヒーってご存知ですか?フィリピンを代表するコーヒー豆の種類なのですが、実はこのコーヒーは猫の糞からコーヒー豆を回収して作るコーヒーなんです。 猫の糞といわれるとイメージがわきにくいかと思いますが、これは猫がコーヒーチェリーを食べて、体内で消化仕切れずに発酵したものが糞として排出され、そのコーヒー豆を使用したものです。
猫の体内で発酵されてコーヒー豆が絶妙に美味しくなることから人気なのですが、似たようなものにコピ・ルアクというコーヒー豆もあります。今回はその「アラミドコーヒー」について、そもそもアラミドコーヒーとは何か、コピ・ルアクとは何が違うのか、などについて書いて行こうと思います。
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そもそもフィリピンってどんな国?

このアラミドコーヒーの生産地であるフィリピンは人口が約1億人で、面積も日本とほとんど変わらない大きさです。 フィリピンの国名は1542年のスペイン皇太子フェリペからちなんでいます。ルソン島・ビサヤ諸島・ミンダナオ島などを中心に、大小合わせて7107の島々から構成される多島海国家です。(ちなみに島の数が世界で一番多いのはインドネシア)
フィリピンの近くにはフィリピン海溝があるのですが、その海の深さなんと世界で3番目なんですね。フィリピンの気候は熱帯海洋性で、一年の大半は暑く湿度が高いのが特徴。季節は3つあり、3月から5月が暑く乾燥しています。 6月から11月は雨季、12月から2月が涼しく乾燥しています。年間の気温は21℃から32℃で、1月が最も低く、5月が最も高いです。
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アラミドコーヒーとは何か?

アラミドコーヒーは(Alamid coffee、現地の言葉で「カペ・アラミド」Kape Alamid)といいます。タガログ語で、「カペ」が「コーヒー」を意味します。 このアラミド・コーヒーは、ジャコウネコにコーヒーの実を食べさせて、その糞から豆を取り出し、浅く炒ってコーヒーにします。ジャコウネコのコーヒー、コピ・ルアクと同じなのですが、フィリピンのコーヒーは特に「アラミドコーヒー」といいます。
ジャコウネコは赤く熟れたコーヒーの実を食べると外皮のみ消化されてコーヒー豆は未消化のまま排泄されるので、豆に消化酵素が浸透し腸内細菌による発酵によって独特の風味が加わって香り豊かなコーヒーになるのです。 ちなみに世界で一番高価なコーヒーがアラミドコーヒーであると言われています。コピ・ルアクよりも高値で取引されているのですね。
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なんでアラミドコーヒーが世界で一番高価なのか

コピ・ルアクもアラミドコーヒーも同じジャコウネコのフンから取れたコーヒーであることは同じなのですが、どうしてアラミドコーヒーの方が高価で取引されているのでしょうか? 実は、コピ・ルアクはインドネシアの人がジャコウネコを飼育し、餌としてコーヒーチェリーを与えてできたものなので「人工的」なのです。
一方のアラミドコーヒーは、野生のジャコウネコがコーヒーの実を食べ、そのままフンとして出てくるので「天然」なのです。つまり、必然的にアラミドコーヒーの方が「希少」になるのですね。これがコピ・ルアクとの価格の違いです。
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コピ・ルアクとアラミドコーヒーの違い

コピ・ルアクとアラミドコーヒーは同じジャコウネコのフンから出たコーヒー豆であり、その違いは「ペットとして飼われているジャコウネコ」であるか「野生としてのジャコウネコ」であるか、というのがここまでの話で出てきた違いですが、そのほかにも大きな違いがあります。 コピ・ルアクは人間が意図的にコーヒーチェリーを選んで食べさせていますので、どんなコーヒー豆を作るかを選択することができるのですが、一方のアラミドコーヒーはそれとは全く違います。というのも、野生であるという点からいろんなコーヒーノキのコーヒーチェリーを食べるのです。
つまり、ブレンドされたコーヒー豆がフンとして出てくるということです。天然のブレンド豆ができるのですね。これがコピ・ルアクとアラミドコーヒーの大きな違いになります。 世界で一番高価なコーヒーであるアラミドコーヒーの誕生のルーツはその「野生」であるということですね。そんな世界で一番高価なコーヒーは年間500kgしか生産されないとのこと。本場のフィリピンに行かれた際にはぜひ、アラミドコーヒーを思い出してください!
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