コーヒーベルトとは?日本の沖縄も含まれるコーヒー栽培エリア

コーヒーベルトとは?日本の沖縄も含まれるコーヒー栽培エリア

コーヒーの生産地としてよく名前にあがってくるのは、中南米やアフリカ、東南アジアなどです。ロシア産のコーヒー豆やカナダ産のコーヒー豆など聞いたことがないかと思いますが、これはそもそも寒い地域ではコーヒー豆を栽培することができないからです。 コーヒーは栽培するのが意外にもデリケートで、赤道付近の温かいエリアでしか栽培できません。そのためにコーヒーの栽培地は赤道付近に偏っており、そのエリアのことを「コーヒーベルト」と呼んでいます。
今回はそんなコーヒーベルトについて、そもそもコーヒーベルトとは何か、コーヒーの栽培条件とは何か、日本でもコーヒーは栽培できるのか、などについて書いていこうと思います。
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コーヒーベルトとは何か?

コーヒーベルトとは、赤道をはさんだ北緯25度から南緯25度までのエリア一帯のことを指します。コーヒー栽培が盛んな国がそのエリアに位置し、まるでベルトのように連なっているためそのように呼ばれています。 ではコーヒーベルトに含まれている主な国を地域ごとに見てみましょう。南北アメリカはなんといってもまずはブラジル!コーヒー生産の最大国であり、世界のコーヒーのうち3分の1がこのブラジルで生産されています。 その西側には生産量第3位のコロンビアが位置しています。カリブ海に浮かぶ島国ジャマイカもコーヒー栽培が盛んです。高級コーヒーとして名高い「ブルーマウンテン」は、ジャマイカにあるブルーマウンテン山脈の標高1200m以上で収穫された希少な豆を指します。
またアメリカではハワイが唯一コーヒーを栽培しています。「ハワイコナ」をお土産にもらったことのある方もいるのではないでしょうか? アフリカはコーヒー発祥の地であるエチオピア、キリマンジャロ山のあるタンザニアが有名です。 コーヒーの銘柄で「キリマンジャロ」を聞いたことのある方は多いでしょう。強い酸味と濃厚なコクが特徴で愛好者も多く、通の間では「キリマン」の名称で親しまれています。 最後にアジアを見てみましょう。ブラジルに次ぐコーヒー生産量第2位の国はアジアにあるのですが、どこだかわかりますか?答えは…ベトナムです!ちょっと意外ですよね! そしてインドネシアも第4位に入っています。アジアというとお茶のイメージが強いかもしれませんが、近年になってコーヒー生産国として急激に伸びてきています。
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コーヒー栽培における5つの条件

なぜ北緯25度から南緯25度までのコーヒーベルトにコーヒー生産国が位置しているのか?それはコーヒーが育ちやすい5つの条件である雨、日当たり、温度、土壌、標高を満たしているからです。 まずは雨ですが、年間1500mmから2500mmほどの雨量が必要です。日本の年間雨量が1700mmくらいなので、日本よりもう少し雨が降っているようなイメージですね。そして雨量とともに重要なのが、雨季と乾季が存在することです。 成長期に雨が降り、収穫期に乾燥しているという気候がおいしいコーヒー作りには欠かせません。 次に日当たりです。コーヒーは日光を好みますが、日差しが強すぎるのもまたコーヒーが育たない原因になります。 そのため、バナナやマンゴーなど少し背の高い木を横に植えて直射日光を和らげ、コーヒーの木を守っている産地もあります。このように木陰を作ってくれる木のことをシェイドツリー、または日陰樹(ひいんじゅ)と呼びます。
3つ目に温度ですが平均気温20度前後が適しています。コーヒーは熱帯地域で育つイメージが強いので意外かもしれません。しかし実際は夏の避暑地のようなところが多く、日本の夏より快適だという人もいます。 4つ目は当たり前ですが肥沃で水はけが良い土地ほどコーヒーがよく育ちます。加えて、少し酸性に傾いた土質のほうがコーヒー栽培には適しています。 そして意外とコーヒー産地は火山帯によく位置しています。というのも火山性土壌はやわらかく、コーヒーの木の根がよく伸びて土中の栄養を吸収しやすいからです。 最後に標高について、500mから2500mの山や高地が栽培に適しています。さらに標高が高ければ高いほどコーヒー豆は高級になるといわれています。標高が高いほど1日の寒暖差が激しくなり、実がぎゅっとつまったおいしいコーヒー豆ができあがるのです。

コーヒーベルトに含まれているのは日本の沖縄&

上述のようにコーヒー栽培には様々な条件が必要であり、ほとんどのコーヒーが熱帯地域に位置する標高の高い土地で生産されています。「それならばコーヒーの栽培なんて日本には関係ない」と思っていませんか?…実は沖縄がハワイなどと同緯度に位置しており、コーヒーベルトの北限に含まれているのです! そして日本では奄美諸島の徳之島、沖縄、小笠原諸島でコーヒーが栽培されています。ただ日本には雨季と乾季が存在せず、また台風の通り道にもなってしまうため、コーヒー栽培は大規模には行われていないのが現状です。
コーヒーベルトに含まれながらも、栽培することは難しくほとんどが輸入品に頼っている日本。コーヒーにまつわる"豆"知識を身につけ、飲んでいるコーヒーがどこの国のどのような環境で育ってきたのかに思いをめぐらせながら味わうのも素敵ではないでしょうか。
参照記事
コーヒー豆の産地と栽培条件の特徴について【保存版】
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