炭焼きコーヒー豆とは何か?特殊な焙煎方法で出来る美味しさ

炭焼きコーヒー豆とは何か?特殊な焙煎方法で出来る美味しさ

僕は焼き鳥と焼肉が大好きでよく食べに行きます。やはり焼き鳥にしても焼肉にしても、炭焼きで食べたものは家のフライパンで焼いたものよりも格別で美味しく感じます。 そんな炭焼きですが、コーヒーの焙煎でもたまに行われて「炭焼きコーヒー」という名目で注目を集めたりしています。これは焙煎の過程で、炭火を熱源として コーヒー豆を焙煎したもののことです。 しかし、焼き鳥とは違ってコーヒー豆を炭焼きにすることには賛否両論あるので、一概にはどちらが良いと断言できません。今回はそんな炭焼きコーヒーについてそもそもどういうものなのか、メリットとデメリットは何なのかについて書いていこうと思います。

そもそも焙煎とは何なのか

そもそも論として、焙煎とは何なのかという話なのですが、わかりやすくざっくりというと、焙煎とはコーヒー豆を“焼く”ような作業です。コーヒーノキから収穫されたコーヒーチェリーは、皮や果肉などの不要な部分が取り除かれてコーヒーの生豆になります。 コーヒーの生豆はそのままでは抽出しても美味しいコーヒーを作ることができません。そこで焙煎の過程で“焼く”ことによって、お湯をかけてドリップした際に美味しいコーヒーが飲めるようにするわけです。
その焙煎の方法なのですが、大きく分けて2つの方法があり、どのように焙煎するかで味が変わってきます。1つ目は「熱風式」というもので、高温の熱風でコーヒー豆を焙煎する方法です。 イメージとしてはかなり熱い風の出るドライヤーで焙煎するような感じです。熱風式で焙煎したコーヒー豆は軽めなコーヒーに仕上がる傾向があります。 2つ目の方法は、「直火式」と呼ばれるものであり、ガスバーナーの火でコーヒー豆を炙ることで、コーヒー豆を焙煎するものです。これは焼肉でお肉を焼くようなイメージです。直火式で焙煎されたコーヒー豆は味の強いコーヒーになる傾向があります。
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炭焼きコーヒーとは何なのか

大きく分けてざっくり熱風式と直火式がある焙煎なのですが、そんな中で3つ目の方法として流行ったのが炭焼き式によるコーヒー豆の焙煎です。名前の通りですが、炭火を熱源として焙煎する方法が炭焼きコーヒーになります。 炭焼きコーヒーのメリットとしてよくあげられるのが、遠赤外線や赤外線の効果です。最近では炭火焼きと同じ効果が期待出来る炊飯器などが流行ったりもしましたが、赤外線の効果によってコーヒー豆が内部から加熱され、ふっくらと焙煎することができます。
他にも、炭焼きコーヒーにはコーヒー豆の劣化を遅くする効果があります。炭は燃えると大量の一酸化炭素が発生しますが、この一酸化炭素には酸化を遅らせる効果があるので、酸化ですぐに劣化してしまうコーヒー豆の賞味期限を長くします。 更に、風味の観点からも炭焼きコーヒーには魅力があります。炭火の香ばしい風味がコーヒーに付くので、香ばしい風味が好きな人にとっては炭焼きコーヒーは適切かもしれません。一般的に炭焼きコーヒーにすると味の濃いコーヒーになる傾向があります。
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炭焼きコーヒーのデメリット

このようにいろんなメリットのある炭焼きコーヒーなのですが、一方では炭焼きコーヒーに否定的な意見も存在します。その中でも最も代表的なものが、コーヒー豆の焙煎には微妙な火力の調整が必要不可欠であり、炭焼きではそれが難しいという点です。 コーヒー豆の焙煎はかなり繊細なものであり、職人レベルの微妙な感覚的なセンスも必要になることがあります。炭焼きの場合には熱風式や直火式と違って焙煎具合のコントロールが難しいので、そもそもコーヒーには向いていないという意見です。
また、コーヒー豆に炭が持つ独特の香ばしさが付くということに関しても疑問的な意見があり、もともと強い香りを持つコーヒーには炭の風味が付くなんてことはなくて、心理的な印象でそう思い込んでいるだけなのではという人もいます。 そして何より炭焼きコーヒーの問題となるのが、そのコストの大きさです。既存の焙煎機を使う場合とは違い、炭焼きの場合には炭の燃料代も普段よりも高くつきますし、準備や後片付けも大変です。 それらのコストは炭焼きコーヒーというブランドにのせてコーヒーの価格を高く設定することで消費者が負担するケースが多く、炭焼きコーヒーはその値段に見合った美味しさを提供できているのか疑問的な意見も存在します。
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世の中にはインチキな炭焼きコーヒー屋も多い

このように炭焼きコーヒーにはメリットもあればデメリットもあります。しかしどちらにしても消費者の関心は高く、何はともあれ面白そうだから1度は炭焼きコーヒーを飲んでみたいという人も多いかと思います。 しかし、消費者のそんな気持ちを利用したインチキな炭焼きコーヒー屋さんも意外に多く存在しています。具体的には、そもそも炭焼きなんてしていないのに、普通の方法で深煎りしているだけで炭焼きコーヒーと名乗る店です。
深煎りするとコーヒー豆が黒っぽくなって炭っぽくなるから炭焼きコーヒーという謎の理論なのでしょうが、これは本来の炭焼きコーヒーとは全く違うただの深煎りのコーヒーです。 他にも、完全なインチキというわけではないのですが、焙煎の最初の過程で少しだけ炭焼きにして、残りは普通の焙煎方法で焙煎するというものです。香ばしい風味をつけるためにやっているのですが、果たして最初に少し炭焼きするだけで、コーヒーに風味が付くのかは疑問的です。 このように炭焼きコーヒーは賛否両論でありますが、深いこだわりを持って炭焼きコーヒーを提供しているお店も当然ながら数多く存在します。そのような優良店で、炭焼きコーヒーを飲んでみて、深いことは考えずに美味しいかどうか判断してみても良いかもしれませんね。
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