「フォース・ウェーブコーヒー」、この言葉をご存知ですか?あまり聞き馴染みないかもしれませんが、この言葉はコーヒーに詳しい方ならば聞いたことがあるかもしれません。コーヒー業界では何か新しいサービスが登場して浸透すると、それを〇〇ウェーブという表現で表すことがあります。
では質問を変えて「コーヒーカクテル」はご存知ですか?こちらはお酒がお好きな方ならばご存知かもしれませんね。そう、最近バーなどで提供される機会が増えてきたこの「コーヒーカクテル」こそが「フォース・ウェーブ」と呼ばれている物であると主張している人もいます。そこで今回はこの「コーヒーカクテル」についてのご紹介をしたいと思います。
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〇〇ウェーブって何?
コーヒーとカクテル?とお思いになる方も多いと思いますので、先にコーヒーカクテルに至るまでの経緯と「○○ウェーブ」についてお話していきます。
「ファースト・ウェーブ」
19世紀後半、コーヒーの大量生産が可能になり、普通の家庭などでも気軽に飲める「浅煎り」のアメリカンコーヒーが浸透し、コーヒーブーム(第一波)が起こりました。
「セカンド・ウェーブ」
1960年頃から始まった第二波は「スペシャルティコーヒー」の台頭。従来の「浅煎り」のアメリカンコーヒーではなく「深煎り」のエスプレッソをベースにした「カフェラテ」などのコーヒーが大人気となりました。この波の象徴として真っ先に上がるのがあの「スターバックス」です。
「サード・ウェーブ」
1990年代後半から巻き起こった第三の波は一言で言うと「上質な一杯」です。これまでよりもコーヒー豆の産地からくる個性を選び抜き、「煎り」や「挽き」、「淹れ方」、更には「器具」にまでこだわり抜いて、一杯一杯ハンドドリップで丁寧に淹れる。一杯の価値を上げ多くのコーヒーファンを唸らせる逸品を求めるブームが起こりました。
そしてこれから来るウェーブはコーヒーとカクテル?!
フォース・ウェーブとして今注目を集めているのは「今までのように気軽に楽しむコーヒー」ではなく「もっと大事に、バーで飲む一杯のように。高品質なコーヒーを楽しむ」スタイルで、その特徴がコーヒーとアルコールを組み合わせた「コーヒーカクテル」なのです。
サード・ウェーブで起こった産地や器具の品質向上、この進歩によりとうとうカクテルの材料として幅広く活用出来るまでになってきたのです。今までコーヒーとアルコールを混ぜることが出来なかった理由はいくつかありますが、一番の理由としては「カフェイン」の過剰摂取が挙げられます。
カフェインの代表格と言ってもいいコーヒーですが、アルコール類にももちろんカフェインは多く含まれています。高カフェインの飲み物同士を混ぜたらカフェイン中毒を引き起こす可能性があり、最悪死に至ります。ですが近年の技術の向上によりデカフェ、カフェインレス、またはカフェインフリーとも呼ばれるものが生まれたことでコーヒーカクテルが作れるようになりました。
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コーヒーとカクテルの相性は?
実はこのカフェインの問題さえクリアしてしまえば、コーヒーとお酒の相性はいいんです。
①コーヒーとお酒は相乗効果をもたらす
コーヒーには覚醒効果があり、集中力が増します。アルコールは逆に集中力を失いますが、脳がリラックス状態になり創造性が向上します。そして両方一緒に摂取するとその特性を潰す事なく集中力と創造性ともにアップすることから、注目の組み合わせになっています。
②コーヒーとお酒はともに補い合う
お酒は脳卒中、脳梗塞などの関係を指摘されていますが、コーヒーは逆に脳卒中のリスクを下げることが報告されています。また同じくお酒、特にビールに多いプリン体は痛風の原因にもなる尿酸値を上げる働きがありますが、コーヒーを飲む人の尿酸値はその量によって下がる報告も上がっています。さらにアルコールの過剰摂取はアルコール性肝炎、発展すれば肝硬変などを引き起こしますが、コーヒーは肝機能を強めてくれる効果があります。
③味の相性も良い!
お酒の中でも蒸留酒のように香りや甘味、酸味を持つものはコーヒーの香り、苦味、酸味と上手くマッチして複雑な大人の味わいをもたらします。
楽しみのひとつだけではなく、健康面においてもコーヒーカクテルが注目されているのが伝わりましたでしょうか?新しい組み合わせではありますが、一度お試しになってみてくださいね。
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