春になると花見をするのが日本の伝統ですが、日本人が桜を愛するのは1年で短期間だけ咲き誇る姿と、すぐに散り去るその姿がどこかはかなくて、美しいからではないかと思います。
桜は花が咲いてから数週間くらいで散りますが、実はコーヒーの花は桜の開花期間よりも短くてはかないのです。その期間はなんと2日間だけであり、コーヒーの花が咲いている姿を実際に見たことのある日本人はほとんどいないのではないかと思います。
今回はそんなコーヒーの花について、コーヒーの花とは一体どういうものなのか、コーヒーの花を使って作られた”コーヒー花はちみつ”とは何なのか、などについて書いていこうと思います。
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コーヒーの花とは何か
コーヒー豆はもともとコーヒーノキと呼ばれる植物の種子から作られます。このコーヒーノキは植物がアカネ科の常緑樹に属されるのですが、世界中のどこでも栽培できるというわけではなくて、コーヒーベルトと呼ばれる赤道付近の暖かい地域でのみ栽培されます。
大きいものは10m以上にもなるそうですが、一般的にはコーヒー豆を収穫しなければいけないので2mくらいの大きなのコーヒーノキが多いです。
コーヒーノキは成長の段階で”花”が咲くのですが、このコーヒーの花はとてもあの苦いコーヒーの元になるとは思えないくらい白くて美しい花なのです。5つの花弁がついていて、しばしばジャスミンのような香りがすると表現されます。
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コーヒーの花はなかなか目にすることができない
そんな白くて美しいコーヒーの花ですが、このコーヒーの花はたった2 日間しか咲きません。桜ですら数週間咲くのに対してコーヒーの花は2日間だけなのでかなり短いことが分かるかと思います。
ただし、その2日間はコーヒー農園全体が一斉に開花して、真っ白になりまさに雪景色のようになります。その景色はとても幻想的であり、コーヒーの花が咲く2日間は一目みようと多くの人が押しかけます。
その様子はあまりにも幻想的であるので、”熱帯雨林に降る雪”などと言われることもあり、ハワイにあるコーヒーの生産地として有名なコナ地区では、”コナスノー”などとも呼ばれています。
コーヒーの花は咲いた後には小さい実ができるのですが、その実は1年弱くらいかけて緑色→赤色→赤紫色へと熟していき、それが最終的にコーヒー豆となるのです。
ちなみに日本でも観葉植物としてたまにコーヒーノキを見かけることがありますが、コーヒーの花を咲かせるには日光が必要であり、観葉植物として育てても花は咲かないと言われています。
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コーヒー花からはちみつが取れる
コーヒーの花は一瞬で咲き散ってしまうのですが、実はコーヒー生産地として世界トップレベルのベトナムではコーヒーの花が1年を通して咲いているそうです。そのためにそのコーヒーの花からはちみつを作成することができると言われています。
コーヒーの花はちみつはかなりレアなのですが、コーヒーの花はちみつはうっすらとコーヒーの味がして、酸味、コク、苦味を感じることもできるそうです。
コーヒーの花はちみつは生産量がとても少ないので滅多に見ることがありませんが、その味は美味しく、特にコーヒーに入れて飲むとうまくマッチして甘いコーヒーが作れると言われています。
このようにコーヒーの花は一瞬で咲き散りとてもはかないです。しかし、その一瞬で咲く白い花はとても美しく、熱帯雨林に雪を降らせているとも表現されます。機会があれば是非一度見に行きたいものですね。
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