
「Coffee Box」では焙煎したばかりの鮮度の高いコーヒー豆を販売しています
私が今回「Coffee Box」を立ち上げたのには意味があります。もともとコーヒー好きだった私は毎日のようにコーヒーを飲んでいたのですが、コーヒーのクオリティはもっと上がって美味しいコーヒーが飲めるのではないかと思っていました。
そんな中でクオリティを重視したブルーボトルコーヒーが日本に上陸してブームになり、当時カフェでバイトをしている学生だった私は、「やはりコーヒーはもっと美味しくなるんだなあ」と感じたのを今でも覚えています。
その後は銀行員になってサラリーマンをしていたのですが、しばらくしてから辞めてアメリカに留学しました。ミシガン州というところにいたのですが、そこで「Lobster Butter Love」というコーヒーに出会います。
Lobster Butter Loveは地域のコーヒーブランドだったのですが、その味がとにかく美味しくて、はじめは勉強するためにカフェに行っていたのですが、気がついたらコーヒーを飲むためにカフェに行っていました。やはり自分はコーヒーが好きなんだなと思いました。

Lobster Butter Loveは地域で愛されているコーヒー豆でした
その後、サンフランシスコやシリコンバレーに移ってIT系のスタートアップで働き始めたのですが、そこでは「Hacker’s House」と言われているシェアハウスに住みました。そのシェアハウスには20代前半の野心的な若者が文字通り世界中から来ており、自分の腕だけを信じてみな勝負をしていました。ちなみに「Hack Coffee Beans」はこのシェアハウスが由来です。
サンフランシスコはサードウェーブの発信地でもありコーヒー文化が根付いています。一方でサンフランシスコから電車で40分くらいのところにあるシリコンバレーにはFacebookやGoogleなどITベンチャーの本拠地であり、IT文化が根付いていました。

毎晩ここではクラブミュージックを大音量で流しながらプログラミングを夜中の3時くらいまでするのがデフォルトだった(中にはただネトゲをしているだけの人もいた笑)
サンフランシスコ(コーヒーの本拠地)とシリコンバレー(ITの本拠地)に挟まれた世界にはふたつと存在しないその特殊なエリアでは、”コーヒー”と”IT”を組み合わせた数多くのスタートアップが存在していました。
その中でも最も注目されていたのがコーヒー豆のオンライン販売です。実際に現地の有名投資家たちからも多額の資金が投資されていました。コーヒー豆のオンライン販売が注目されていたのには理由があります。
私はそれは”家庭で飲むコーヒーはもっと美味しくなる余地があるから”だと思っています。かつてブルーボトルコーヒーは外で飲むコーヒー(=カフェ)のクオリティを向上させましたが、家庭用のコーヒーについては長い間クオリティの進化が止まっているように感じています。

ブルーボトルコーヒーでは焙煎してから日にちの経っていない鮮度の高いコーヒー豆のみ提供している
私も昔まではカフェチェーン店やスーパーなどの焙煎してから時間のたった鮮度の落ちているコーヒー豆を使ってコーヒーを家では淹れていましたが、アメリカで実際にオンラインコーヒー豆販売サービスを利用し、焙煎して日の経っていないコーヒー豆を家で淹れてみたところ、コーヒーの味の差に驚きました。
焙煎してからの鮮度を意識するだけでこれだけ味が変わるのかと思いました。しかし、実際にビジネスを考えた時に実店舗で焙煎したてのコーヒー豆を売るのは難しいのが現実です。例えば焙煎してから4日以内の新鮮なコーヒー豆しか売らないとした場合には大量のコーヒー豆の在庫廃棄が発生するためです。
そのために焙煎してから何ヶ月か経ってもコーヒー豆を売り続けている今の実店舗販売はしょうがないとも言えます(当然実店舗の中にも焙煎したてのものしか売っていないお店もありますのであしからず)。
しかしITの力を活用すればこの問題は解決できます。お客さんからオンラインで注文が入った後にコーヒーの生豆を焙煎して、焙煎して24時間以内に発送できるためです。配送に1日〜2日かかるので、実際にお客さんの手元には焙煎して2日〜3日のベストなタイミングのコーヒー豆が届きます。

Coffee Boxでは注文が入ってから焙煎することで鮮度の高いコーヒー豆のみを販売することができる
私は”コーヒー”と”IT”を組み合わせてオンラインでコーヒー豆を販売することで、家庭で飲むコーヒーはもっと美味しくなると信じています。
これからも「Coffee Box」及び「Hack Coffee Beans」をよろしくお願いします。
