コーヒーミルク(コーヒーフレッシュ)と牛乳の違い

コーヒーミルク(コーヒーフレッシュ)と牛乳の違い


カフェに行った時にブレンドコーヒーを頼むと、一緒に小型カップのポーションで牛乳のようなクリームと砂糖を渡されることがあります。牛乳ではないんだけど甘い牛乳のような感じもするこれって実際何なのかと疑問に思っている人も多いと思います。 でもわざわざ調べるほどでもないしで終わっているケースがほとんどだと思いますが、今回はあえてその小型のポーションであるコーヒーミルクについて書いていこうと思います。

目次

1). コーヒーミルクの呼び方について
2). コーヒーミルクの歴史
3). コーヒーミルクに含まれている成分
4). コーヒーミルクは体に悪いのか
5). コーヒーミルクのカロリーについて

コーヒーミルク(コーヒーフレッシュ)の呼び方について

そもそも「コーヒーミルク」と言われてもパッとしない人も多いかと思います。実はコーヒーミルクは地域によって呼び方がいろいろあり、関東では「コーヒーミルク」や「コーヒークリーム」と呼ばれていて、関西や名古屋あたりでは「コーヒーフレッシュ」と呼ばれているそうです。他にも「ポーションミルク」と呼ばれることもあります。
かなり余談ですが、アメリカではコーヒーフレッシュのことをただ単に「クリーム」とだけ呼ぶそうです。そういえばアメリカで生活していた時には「Do you need room for cream?(クリームの分のスペースを空けて少なめにコーヒー入れる?)」と聞かれていた気がします。 このように呼び方は、コーヒーミルク、コーヒークリーム、コーヒーフレッシュ、ポーションミルクといろいろありますが、どれも同じであの小型のカップに入った牛乳のようなポーションのことを指します。

コーヒーミルク(コーヒーフレッシュ)の歴史

コーヒーミルクの歴史は意外と浅く、1950年代にクリーミングパウダーという形で開発されました。コーヒーミルクが誕生する前には、コーヒーには牛乳か生クリームが使われてきましたが、すぐに腐ってしまう上に値段もそれなりにかかってしまうので、何かもっと効率的にできないかという背景から生まれました。 日本では1970年代に入ってから流行り始め、「メロディアン」や「スジャータ」と言った会社でコーヒーミルクが販売されるようになり、凝乳に比べて腐りにくくて安いということで一気に全国で普及しました。
カフェにしても家庭にしても、当時コーヒーミルクはとても画期的でした。牛乳みたいに鮮度を保つために手間がかからず、最初から小分けにしているのでコーヒーに入れるのもすごい簡単です。 ちなみにコーヒーフレッシュという単語ですが、始めはメロディアンが商品名として使っていたものの、それが大ヒットすると商品名がそのまま商品そのものを表現するものとして、関西や名古屋付近で使われるようになったのが発端とのことです。
参照記事
レギュラーソリュブルコーヒーとインスタントコーヒーの違い

コーヒーミルク(コーヒーフレッシュ)に含まれている成分

コーヒーミルクはその名前と見かけの通り、牛乳っぽいですが牛乳ではありません。牛乳に似せて作られてはいるものの、乳成分は全く入っておりません。ざっくりと説明するとコーヒーミルクの正体は油です。 植物性油脂と水をミックスして、乳化剤で白く濁らせて、増粘多糖類でとろみをつけたものがコーヒーミルクです。それを牛乳っぽい香りや色付けの香料やカラメル色素、酸化防止剤のPH調整剤で加工すれば完成です。 難しい漢字で書かれた謎の物質がたくさん出てきたので、1つずつ説明していければと思います(笑) まずは「植物性油脂」について、これはいわゆるサラダ油のことです。この植物性油脂を使うことで、牛乳や生クリームを使用するよりもかなり安く製造することができます。まさにコーヒーミルクの核心的な成分です。

Andrew Ismayaさん(@d3du)が投稿した写真 -

基本的にはこの植物性油脂を使ったコーヒーミルクがほとんどなのですが、コーヒーミルクの中には乳脂肪分が18%〜45%くらい入っているものも実はあり、高いコーヒーミルクとして販売されています。 次に「乳化剤」について。先ほど植物性油脂と水を混ぜるといいましたが、ご存知のように水と油は混ざり合いません。しかし、そこに乳化剤を入れると水と油がうまく混ざり合うというわけです。界面活性剤と言われることもあります。 次に「増粘多糖類」について。これはいわゆるとろみを出すための成分です。水と油と乳化剤だけでは水っぽくて牛乳らしさが足りないので、増粘多糖類を入れて、とろみ具合を付けます。
参照記事
コーヒー豆の適切な保存方法・場所と容器について【保存版】
次に「カラメル色素」について。これは色をつけるものです。あまりにも白すぎると逆にクリームっぽさが足りないので、カラメル色素を入れて微妙に薄い茶色にします。これで見かけばいかにもクリームっぽくなります。 最後に「PH調整剤」について。これは賞味期限を長くするための成分です。牛乳はすぐに腐ってしまうので、テーブルに置きっぱなしにしたりできず、こまめに冷蔵庫に入れる必要があります。 それではカフェなどで大変なのでPH調整剤を入れて日持ちをよくし、常温でテーブルの上などに置きっぱなしにしても大丈夫にします。
こうやってみるとけっこう色んな添加物があの小さいポーションの中に入っていることがわかります。ちなみにカフェなどにあるコーヒーミルクの容器には容器の大きさが30㎠以下なので原材料の表記義務がありません。(というかどう考えてもあの小さいスペースに全部書くのは無理ですw) なので原材料を自分の目でしっかりと確かめる場合には、袋詰めで販売されているコーヒーミルクの袋の裏側を確認する必要があります。

コーヒーミルク(コーヒーフレッシュ)は体に悪いのか

今まで聞いた感じですと、いろんな添加物が入っているので、コーヒーミルクは体にとって悪いのではないかと思われます。実際はどうなのでしょうか。 コーヒーミルクの安全性を考える上で欠かせないのが、植物性油脂です。この中には「トランス脂肪酸」というものが含まれています。これはアメリカでは一部で使用が禁止されているくらい体に悪いと言われています。 このトランス脂肪酸はマーガリンに入っていることで知られています。よく日本ではマーガリンを食パンに塗るのが普通だけど、海外では健康に悪いからマーガリンを使うのはありえないとか言われていますが、それと同じです。 このトランス脂肪酸は、植物性油脂と水素がめぐり合うことで発生しますが、動脈硬化、心筋梗塞、悪玉コレステロールの上昇、アトピーや喘息といったアレルギーの悪化を招くとされています。そのためにアメリカでは使用が制限されています。
このようにトランス脂肪酸が含まれているので、それが体に悪い影響を及ぼすのではないかという意見が存在しています。 もう1つコーヒーミルクの健康に与える影響を考える上で欠かせないのが鮮度です。サラダ油は別にコーヒーミルクだけではなく色んな食べ物に含まれているので、あの小さいポーション分だけ飲んでもそこまで影響がないという意見もあります。
参照記事
コーヒーを飲んだら動悸した!原因と対処方法について
しかし、コーヒーミルクの管理状況によっては鮮度が悪くなったコーヒーミルクが使われ続ける可能性があります。コーヒーミルクは密封されてるっぽいし大丈夫だろうという考えで、何ヶ月か経ったコーヒーミルクを使うと、油が酸化していることがあります。 一般的にコーヒーミルクの賞味期限は数ヶ月くらいが多いかと思います。それを過ぎたコーヒーミルクは酸化してしまいます。酸化した油は老化の原因、肌荒れ、アルツハイマーやガンなどの危険性が指摘されており、体に悪影響です。 以上、トランス脂肪酸と鮮度の悪化の2点から、コーヒーミルクの危険性を危惧する声があります。一方で、もともと少量なので、数杯くらい飲んでも関係ないという意見もあります。 どちらが正しいか断言することは難しいですが、チリも積もれば山となるとも言いますし、限度を超えたコーヒーミルクの摂取には気をつけるに越したことはありません。

コーヒーミルク(コーヒーフレッシュ)のカロリーについて

最後に簡単にコーヒーミルクと牛乳に含まれているカロリーを比較して終わろうと思います。 コーヒーミルクのカロリーは1個(5ml)あたりで13〜15kcalくらいです。一方で牛乳は5mlあたり3.5kcalくらいです。一般的にコーヒーミルクよりも牛乳の方が多めに入れると思うので、一概には言えませんが比較的に牛乳の方がカロリーは低めに抑えられそうです。 普段何気なく牛乳っぽいなと思いながら使っているコーヒーミルクですが、実はあくまで牛乳に似せて全くの別物でした。少量であれば別に体に悪い影響を与えないだろうとは思いますが、毎日何杯も飲むようでしたら、体への影響を考えた方が良いかもしれません。
参照記事
コーヒーのオイル(油分)とは何か?その効果と効能について
ブログに戻る