突然ですが、「コールドブリュー」をご存知でしょうか?
最近カフェのメニューなんかでよく見るようになったこの言葉、「どんなものなんだろう?」と思いを馳せた方もいたのではないでしょうか?
「コールドブリュー」の正体、実は日本ではずっと昔から「水出しコーヒー」、または「ダッチコーヒー」として親しまれてきたものなのです。
今回はそんなコールドブリューの特徴から最近話題になっているその背景まで解説していきたいと思います。
コールドブリューとは?アイスコーヒーとはどう違うの?
先にお話した通り、「コールドブリュー」、「水出しコーヒー」、「ダッチコーヒー」それぞれの意味に違いはありません。アイスコーヒーとの違いを簡単に説明するなら、アイスコーヒーがコーヒーをお湯で抽出し、その後氷を入れて冷やすのに対して、コールドブリューは水にコーヒーの粉を浸し、長時間かけて抽出します。
- 参照記事
- ダッチ・コーヒーとは?独特な水出し方法でアイスコーヒーを作る
そもそもなぜ水で淹れられるのか?
20世紀初頭までオランダ領にあった当時のインドネシア。ここで栽培されていたロブスタという品種のコーヒー豆でしたが、「苦味が強い」「カフェイン量が多い」「淹れた時に雑味が多く残る」など豆のクセが強いことから、通常のお湯による抽出ではおいしく淹れられませんでした。ただ、病気に強く栽培がしやすいことから淹れ方の方を試行錯誤した結果、水で抽出する「ダッチ(オランダの)コーヒー」として新たな技法を確立したのです。この「ダッチコーヒー」こそがコールドブリューや水出しコーヒーの元祖となっているのです。
コールドブリューならではの4つの特徴
一般的にお湯を使って抽出されるコーヒーですが、コールドブリューのような水による抽出にはどのような特徴があるのでしょうか?
①酸化を防ぐ
高温による酸化が起こらないので、酸味を抑えてくれます。
②苦味や渋味も抑える
高温のお湯とは違い、渋味の原因の「タンニン」や「カフェイン」が溶け出しにくいため、苦味や雑味が抑えられ、まろやかに仕上がります。
- 参照記事
- ウォータードリッパー(ウォータードリップ)とは?
③口当たりがいい
時間をかけて抽出され、苦味や雑味が抑えられたことで甘味が出ます。そのためコーヒー豆本来の味や香りを楽しむことができます。
全体的にまろやかで丸みの味わいになるので、飲みやすく爽快感のある「水出し」は主にアイスコーヒーによく好んで使われます。通常のお湯で抽出したアイスコーヒーは氷を入れて冷やすのが一般的。
そのため、あらかじめかなり濃く作っておいたり、コーヒーの氷を作っていれたりと色々と工夫しなければなりません。さらに氷が溶ける事で「好みの濃さ、味わい」で楽しめない事もあります。しかし「水出し」ではそんな心配もないのが特徴と言えます。
④ただし時間はかかる
お湯での抽出とは違い、抽出に12時間以上かかってしまうのがネックと言えます。また、コーヒーの苦味や酸味を好んでいる方にとっては、やはりぼやけた印象を持つかもしれません。
サードウェーブがコールドブリューに与えた影響
コーヒーの歴史の中で起こってきた大きな波。サードウェーブ(第3の波)により、今はコーヒー豆自体の風味にこだわり、生産者も日々品質の向上を図っています。そしてユーザーもコーヒーを「飲む」だけではなく「楽しむ」ものになってきました。
コーヒー豆そのものの味や香りを楽しむ方にとって、苦味や雑味、酸味などの刺激の強い味覚を抑えた「水出し」は最適と言えます。苦味や雑味が苦手な方や、普段あまりコーヒーを飲まない方にもおすすめです。さらに「カフェイン量」も少ないので健康面においてもいいと言えます。こうしたいくつもの要素こそ「コールドブリュー」が今注目されている理由なのではないでしょうか?
- 参照記事
- ファースト・セカンド・サードウェーブからフォースウェーブを予測!