突然ですが、「コールドブリュー」ってご存知ですか?コールドブリューはアメリカでは数年前からブームが起こっていて、とうとう日本のスタバにも2017年5月に期間限定で登場しました。また最近では缶コーヒーにも「コールドブリュー」と表記されて販売される商品も出てきました。
名前の語感やコーヒーチェーンの大手でもあるあのスタバが発売した事から「どんなものなんだろう?」と思いを馳せた方もいたのではないでしょうか?でもなんてことはない、「コールドブリュー」の正体は日本ではずっと前から「水出しコーヒー」、または「ダッチコーヒー」と呼ばれて提供されてきたものなんです。
日本に住む私たちからすると「なぜ今、水出しコーヒーが注目されているのか?」そしてアメリカのコーヒーチェーンはともかく日本の缶コーヒーメーカーまでもが「コールドブリューを打ち出してきたのか?」気になりますよね?今回はその背景を調べてみたいと思います。
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コールドブリューとは何か?
先にお話した通り、「コールドブリュー」、「水出しコーヒー」、「ダッチコーヒー」は同じ意味で、通常のお湯で抽出したコーヒーではなく、水で抽出したコーヒーのことです。起源はダッチというくらいなのでオランダ…かと思いきや、当時オランダ領にあったインドネシアと言われています。
何故コールドブリューは水で淹れたのか?
20世紀初頭までオランダ領にあった当時のインドネシア。ここで栽培されていたロブスタという品種のコーヒー豆でしたが、「苦味が強い」「カフェイン量が多い」「淹れた時に雑味が多く残る」など豆のクセが強いことから、通常のお湯による抽出ではおいしく淹れられませんでした。ただ、病気に強く栽培がしやすいことから淹れ方の方を試行錯誤した結果、水で抽出する「ダッチ(オランダの)コーヒー」として新たな技法を確立したのです。
コールドブリューの抽出方法の違い
通常ではお湯でコーヒーを抽出しますが、水で淹れると具体的にどんな違いが出るのかというと、以下のようになります。
①酸化を防ぐ
高温による酸化が起こらないので、酸味を抑えてくれます。
②苦味や渋味も抑える
高温のお湯とは違い、渋味の原因の「タンニン」や「カフェイン」が溶け出しにくいため、苦味や雑味が抑えられ、まろやかに仕上がります。
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③口当たりがいい
時間をかけて抽出され、苦味や雑味が抑えられたことで甘味が出ます。そのためコーヒー豆本来の味や香りを楽しむことができます。
全体的にまろやかで丸みの味わいになるので、飲みやすく爽快感のある「水出し」は主にアイスコーヒーによく好んで使われます。通常のお湯で抽出したアイスコーヒーは氷を入れて冷やすのが一般的。
そのため、あらかじめかなり濃く作っておいたり、コーヒーの氷を作っていれたりと色々と工夫しなければなりません。さらに氷が溶ける事で「好みの濃さ、味わい」で楽しめない事もあります。しかし「水出し」ではそんな心配もないのが特徴と言えます。
④ただし時間はかかる
お湯での抽出とは違い、抽出に12時間以上かかってしまうのがネックと言えます。また、コーヒーの苦味や酸味を好んでいる方にとっては、やはりぼやけた印象を持つかもしれません。
サードウェーブがコールドブリューに与えた影響
コーヒーの歴史の中で起こってきた大きな波。サードウェーブ(第3の波)により、今はコーヒー豆自体の風味にこだわり、生産者も日々品質の向上を図っています。そしてユーザーもコーヒーを「飲む」だけではなく「楽しむ」ものになってきました。
コーヒー豆そのものの味や香りを楽しむ方にとって、苦味や雑味、酸味などの刺激の強い味覚を抑えた「水出し」は最適と言えます。苦味や雑味が苦手な方や、普段あまりコーヒーを飲まない方にもおすすめです。さらに「カフェイン量」も少ないので健康面においてもいいと言えます。こうしたいくつもの要素こそ「コールドブリュー」が今注目されている理由なのではないでしょうか?
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