現在世界に存在しているコーヒー業界のスタートアップで最も注目度が高いのではないかなと思われるのが、ニューヨークのブルックリンを拠点に活動しているCraft Coffeeです。
会社名:Craft Coffee
CEO:Michael Horn
本社:ニューヨーク
創業:2010年
資金調達額:3,200万円($320K)
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オンラインのコーヒー豆販売市場を狙う
やっていることはいたってシンプルで、オンラインでコーヒー豆の販売をしているだけです。スターバックスやローカルなカフェが実店舗で広く展開されている中で、Craft Coffeeは家庭で飲まれるコーヒーのリーダーになるという野望を持っています。
アメリカの家庭用コーヒーの市場規模は5000億円($5B)という巨大なマーケットであるにも関わらず、これといった代表的な企業がなく、そこにビジネスとしてのチャンスを見いだしたわけです。
自分にとってベストなコーヒー豆を選んでくれる
コーヒーについてそこまで詳しくない人が自分にとってベストなコーヒー豆を見つけるのは難しいです。カフェに行っても何十種類ものコーヒー豆がパッケージされて販売されており、どれがいいのかよくわかりません。
店員に相談してみても、「酸味が○○で〜」とか「コクが○○で〜」などと謎の用語を並べられて、わかったようなわからないような感じになり、けっきょく雰囲気に押されて、言われるがままに、てきとうにコーヒー豆を買ってしまう人も多いのではないでしょうか。
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Craft Coffeeは、過去のデータを活用することでこの問題を解決しようとしています。Craft Coffeeでは、
すでに2,200万kg以上のコーヒー豆を販売しており、過去の購買データからどんな人はどんなコーヒー豆が好きな傾向にあるのかなどをデータから分析しています。
また、例えば過去に1度でもCraft Coffeeを利用したことがあれば、その人がどのコーヒー豆を飲んだかも分かるので、それと比較することでその人にとってベストなコーヒーを見つけることもできます。
スターバックスなどでもコーヒージャーニーという形で、冊子にシールを貼っていくことで、過去に飲んだコーヒー豆との比較をしたりしていますが、紙媒体なのでオンラインのデータとしての扱いよりも使い勝手が悪く、何よりサービスにばらつきが出てしまいます。
Craft Coffeeの自分にとってベストなコーヒーを見つけてくれるシステムは、このスタートアップの土台になっていると言っても良いでしょう。
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地域の焙煎所と契約してコーヒー豆を提供
どれだけコーヒー豆の販売が見込めるのか予測するのは難しいです。特にオンラインでの販売であれば、なおさら予測が難しいです。
そのために、仮に予測を見誤って、コーヒー豆をあまりにも少なく仕入れてしまったら在庫不足になり売上が減少します。逆に、コーヒー豆を仕入れすぎてしまったら、売れ残りからコーヒー豆の廃棄ロスが出てしまいます。
そこでCraft Coffeeは地域にある何千もの焙煎所と契約して、自社では基本的にコーヒー豆の焙煎や仕入れはせずに、あくまでお客さんへのコーヒー豆の販売に徹することで、この問題を解決しました。
Craft Coffeeには有名投資家が続々と投資している
手のつけられていない家庭用コーヒー豆の販売市場を攻めているCraft Coffeeには多くの有名投資機関が興味をよせています。創業したばかりのスタートアップに投資をする会社として、Y combinatorと500 startupsの2つが有名ですが、Craft Coffeeはこの両方から投資を受けています。
創業者であるMichael Hornは、もともとはウォールストリートの弁護士であり、其の後はプログラマーに転身した後に、コーヒー業界に参入してきたという面白い経歴の持ち主です。
Craft Coffeeが行っている家庭用コーヒーの改革は、まだ始まったばかりであり、今後どう変わっていくかはわかりませんが、個人的には大きな可能性があり、現在最も注目すべきコーヒースタートアップなのではないかと思います。