カッピングとは何か?コーヒーの味を見極める方法について

カッピングとは何か?コーヒーの味を見極める方法について

業者の人がコーヒー農家からコーヒー豆を仕入れた時や、カフェの店員がコーヒー豆を仕入れた時には、コーヒーの味や品質がしっかりとしているか確認をする必要があります。 他にもコーヒー豆の品評会で、どこのコーヒー農家が作ったコーヒー豆が美味しいのか判断する時にも当然コーヒーの味を確認する必要があります。そのような時には「カッピング」と呼ばれることを行います。
カッピングとはワインで言うところのテイスティングに該当するのですが、コーヒー豆の良し悪しを味見して総合的に評価することを指します。今回はそんなカッピングについて書いていこうと思います。

カッピングとは何か

カッピングとはひとことで言うと、コーヒーの品質を同じ条件下で比べて評価することを指します。具体的には、コーヒーの甘味、酸味、苦味、香り、 飲んだ後の余韻など複数の項目を総合的に見て判断していきます。 カッピングをするケースは大きく3つあります。1つ目は、コーヒーの産地でバイヤーがどのコーヒー農家のコーヒー豆を買い付けるか検討するケースです。バイヤーはできるだけ品質の高いコーヒー豆を輸入する必要があるので、コーヒー生豆の品質をカッピングによって評価します。
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2つ目は、カフェで店員によって行われるカッピングです。カフェがカッピングを行う目的は、お客さんに提供しているコーヒーの味がしっかりとしているかの確認したり、焙煎具合を確認したりするためです。
3つ目は、コーヒーの品評会でのカッピングです。通常コーヒー豆のランクはコーヒーが栽培されている標高の高さや、コーヒー豆粒の大きさなどで決められるケースが多いです。
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そのようなランクの決め方は毎年大量に生産されるコーヒー豆をざっくりとランク分けするには最適ですが、必ずしもコーヒー豆の味を忠実にランク分けすることはできません。そこでコーヒー豆の品評会で味を含めてランク付けが行われますが、その際にはカッピングによってランクが決められます。 カッピングがコーヒーの味を判断する絶対的な判断基準というわけではありませんが、より詳しくコーヒーの味を分析するためには、カッピングが有効な手段であるといえるでしょう。

カップングのタイミングはドライ・クラスト・ブレイク

カッピングでは香りをチェックしますが、香りを図るタイミングは大きく3つに分かれています。1つ目のタイミングは「ドライ」です。ドライはコーヒー豆を挽いたタイミングです。挽いたばかりの香りをかいでそのコーヒー豆を評価します。 2つ目のタイミングは「クラスト」です。クラストはコーヒーにお湯を注いだタイミングです。コーヒーにお湯を注いでから1分後が目安であり、抽出したばかりのコーヒーの香りを評価します。 最後3つ目のタミングは「ブレイク」です。ブレイクはコーヒーを撹拌したタイミングです。コーヒーにお湯を注いでから4分後くらいが目安であり、そのタイミングでコーヒーをかき混ぜて香りをかぎます。

カッピングでテイスティングするポイント

コーヒーの香りはドライ・クエスト・ブレイクの3つのタイミングで行いますが、ブレイクまで香りの評価が全て終わったら、次はいよいよ味や風味の評価を行います。コーヒーの味をチェックする作業をテイスティングと言います。
テイスティングでは「カッピングスプーン」というカッピングを行うためのスプーンを使います。カッピングスプーンでコーヒーを入れたら、それをすするような形で一気に口の中に入れます。ちなみにテイスティングではコーヒーが熱い状態も冷たい状態も両方行います。 具体的にカップングで分析する項目はいくつかあります。1つ目は「香り(アロマ・フレグランス)」です。ナッツの香り、ハーブの香りなど、香りを他の食べ物と比べることが多いです。 2つめは「酸味(アシディティ)」です。酸味には爽やかな酸味と、安っぽく酸っぱい酸味があります。前者は良い意味ですが、後者は悪い意味で使われます。 3つ目は「コク(ボディ)」です。コクのあるコーヒーはバターのようなコク、クリームのようなコクなどと言われることがあります。一方でコクのないコーヒーは滑らかなコーヒーや水っぽいコーヒーなどと言われます。 4つ目は「余韻(アフターテイスト)」です。コーヒーを飲んだ後に残る感覚のことを指します。渋みや苦みの残るコーヒーなどと表現することがあります。5つ目は「きれいさ(クリーンカップ)」です。これはコーヒーの澄み具合を表し、透明感のあるコーヒーや濁ったコーヒーなどと表現します。

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他にも、コーヒー豆の持つ個性を「風味(フレーバー)」、風味と酸味とコクの調和を「バランス」、何杯か淹れたコーヒーが全て同じかどうかを「均一性(ユニフォーミティ)」、コーヒーの甘みを「甘み(スウィートネス)」と呼んで評価します。

カッピングはSCAA方式とCOE方式の2種類

カッピングを行う方法はいくつかありますが、その中でも有名なのが「SCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)方式」と「COE(カップ・オブ・エクセレンス)方式」の2つです。 SCAA方式とCOE方式の間にそこまで大きな違いはありませんが、COE方式のほうがより多くの項目をチェックします。なので、大量のコーヒー豆を評価する際にはSCAA方式が向いていて、少量のコーヒー豆をより厳正に評価する際にはCOE方式が向いています。
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