グレートマウンテンなどエクアドル産コーヒー豆の特徴

グレートマウンテンなどエクアドル産コーヒー豆の特徴

今まではブルーマウンテンやキリマンジャロコーヒーなど一般的にもメジャーなコーヒー豆をご紹介してきましたが、今回はそこまで有名ではないエクアドル産のコーヒー豆についてご紹介していきます。 エクアドルはそもそも国として聞いたことも無い人が多いのでは無いでしょうか。または知っていても何となく暖かそうくらいの人も多いのでは無いかと思います。しかしエクアドルはコーヒー豆の産地として一部の人から人気を集めているのです。
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目次

1). そもそもエクアドルとはどんな国なのか 2). エクアドル産コーヒー豆の栽培方法 3). エリア別のエクアドル産コーヒー豆の特徴 4). エクアドル産コーヒー豆の味

そもそもエクアドルとはどんな国なのか

そもそもエクアドルは、南アメリカ大陸の西海岸に位置していて太平洋に面しています。大きさとしては日本よりも少しくらい小さくて25.6万㎢の国であり、赤道直下でとても暑い国です。 そもそもエクアドルという名前はスペイン語で「赤道」を意味しています。その名の通り赤道直下にある国であり、首都のキトは本当に赤道の真下にあります。でも首都のキトよりもグアヤキルの方が都会であり、エクアドル全体の人口は1,542万人と日本の1/10くらいの人口の少ない国です。 エクアドルのメイン部分から1,000kmほど西に行ったところにはガラパゴス諸島という島があります。これはダーウィンの進化論の舞台になった島としても有名です。
エクアドルはちょうどど真ん中をアンデス山脈が2列になって縦走しており、国土の大部分が山岳地帯です。実際に首都のキトも標高2,850mのところにあり、国全体が標高の高いところにあります。 もともとはスペインに植民地支配された過去があり、1822年に隣国のコロンビアの一部としてスペインから独立しました。その後、1830年にはコロンビアからも独立して、今のエクアドルが完成しました。 コーヒーの生産が国内の主要産業の1つですが、コーヒー以外にも、バナナ、カカオなどの農産物も国の主要産物であり、他には石油の採掘も行われています。

エクアドル産コーヒー豆の栽培方法

(1) エクアドル産コーヒーの歴史

エクアドルでコーヒー豆の栽培が始まったのは1952年頃からでした。はじめはそこまで栽培が普及しなかったものの、カカオ豆が病気によって大損害を受けて栽培できなくなったのをきっかけとして、エクアドルではコーヒー豆の栽培が普及しました。 現在では2万人にも及ぶコーヒー農家がエクアドルにはいて、コーヒー豆を栽培しています。コーヒー豆の木は主に南部の山岳地帯の高地と、西部の太平洋海岸近くで多く生産されています。

(2) アンデス山脈がエクアドル産コーヒー豆を支える

エクアドルはアンデス山脈の影響で火山灰質のミネラルを多く含んだ肥沃な土壌になっています。その影響でエクアドルではコーヒー豆の木を栽培する際に十分な養分を取ることができると同時に、水はけもよくなります。 また、アンデス山脈の影響でコーヒー豆の木を育てる栽培地の標高が高くなっています。エクアドルのコーヒー豆は1,500m前後の山岳地帯で多くが生産されています。この標高により昼夜の温度差が激しくなり、身の引き締まった美味しいコーヒーを育てることができます。

(3) エクアドル産コーヒー豆とシェイドツリー

エクアドルでは年間降水量が2,000m~2,700mであり、気温も20℃~25℃とコーヒー豆を栽培するのに最適な環境となっております。しかし赤道の直下に位置しているので、必要以上の太陽光があたってしまうという問題があります。 しかしエクアドルではコーヒー豆の木を栽培する際に、一緒にバナナやココアを栽培しており、それらの木々がシェイドツリーとして必要以上の太陽光を遮る重要な役割を果たしています。
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この栽培方法は森林農法と呼ばれており、エクアドルでは伝統的な農業方法となっております。森林を開拓して作物を栽培する際に、同じ農産物を1つだけ大量にプランテーションとして栽培するのではなく、バナナやココアなど様々な種類の作物を同時に育てます。 これの影響で、背の高い木や低い木などが入り乱れるようになり、コーヒー豆の木を育てるに最適な太陽光を当てることができるようになります。これらの他の作物を同時に育てることで、他の木の落ち葉が天然肥料となり無農薬のコーヒー栽培が可能になります。

(4) エクアドルでは手摘みでコーヒー豆の実を取る

エクアドルは地形が険しいので、機械で大量にコーヒー豆の実を収穫することができません。その結果として、本当に完熟したコーヒー豆の実だけ激選して手摘みされるようになり、欠点豆の比率も自然と少なくなり、コーヒー豆の品質が向上します。 エクアドルではアラビカ種(高くて美味しいコーヒー豆)とロブスタ種(安くておいしくないコーヒー豆)の生産の比率がざっくり60%と40%くらいになっています。そのために世界的にもロブスタ種のコーヒー豆を多く生産しています。 エクアドル産のコーヒー豆の多くは隣国のコロンビアへと輸出されます。コロンビアは世界的なコーヒー豆の産地なのですが、そのほとんどは高値でコロンビア国外へと輸出されます。なのでエクアドル産のコーヒー豆はコロンビアで大部分が消費されます。

エリア別のエクアドル産コーヒー豆の特徴

(1) マナビ県で栽培される「アンデス・マウンテン」

マナビ県はエクアドル西部の太平洋側に位置しています。海岸側では標高500~800mと低めエリアでコーヒー豆が生産され、エクアドル産のコーヒー豆のアラビカ種の半分くらいがここで生産されています。 コーヒー豆の品質は標高が高ければ高いほど良くなる傾向がありますが、このエリアは標高がそこまで高くないので、アラビカ種の中でもそこまで人気が出ていないのが事実です。代表的な銘柄は「アンデス・マウンテン」です。
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(2) ロハ県で栽培される「ビルカ・マウンテン」

ロハ県はエクアドル南部の高地で栽培されています。このエリアは高いエリアだと標高が2,100mほどあり、エクアドルの中では高品質なコーヒー豆を栽培するのに適しています。 アンデス山脈の中にあるビルカバンバ村では「ビルカ・マウンテン」というコーヒー豆が栽培されています。ここは標高1,700mくらいであり、その美味しさから一部の日本人には人気があります。

(3) ガラパゴス諸島で栽培される「ガラパゴス・サンクリストバル」

ダーウィンの進化論で有名なガラパゴス諸島ですが、このエリアでも実はコーヒー豆が栽培されています。「ガラパゴス・サンクリストバル」というのが有名な銘柄です。 もともとガラパゴス諸島は産地がなく、コーヒーは標高350mくらいのところで栽培されてます。エクアドルのガラパゴス諸島産のコーヒー豆を一回くらいは飲んでみたいという好奇心を起こす人が多く、生産量の少なさからも高価なコーヒー豆となっています。

(4) 「グレートマウンテン」はエクアドル産コーヒーでも人気

エクアドルのハナビ地区で生産されるコーヒー豆に「グレートマウンテン」という銘柄がありますが、このエリアは標高が高く降水量も安定しています。そのために美味しいコーヒー豆を栽培するのに適しており、エクアドルの中でも高級なコーヒー豆の栽培地域となっています。

エクアドル産コーヒー豆の味

エクアドル産のコーヒー豆の味ですが、ひとことで言うと、マイルドでさっぱりしています。口当たりが優しくて、すっきりしていて飲みやすいです。 苦味も酸味もありますがそこまで強くはなくて、独特の甘みを感じます。全体的に弱めなコーヒーであり、深煎りの力強いコーヒーが好きな人には向いていません。僕個人はさっぱり目のコーヒーが好きなので、たまにエクアドル産のコーヒーを飲みます。
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