コーヒーにはエスプレッソと言ってコーヒーをぎゅっと凝縮させてコーヒーエキスのようにした味が濃くて苦い飲み方があります。
そのままだとかなり強烈なので、エスプレッソに砂糖を入れて甘くしてから飲む人もいますし、ホットミルクを入れてカフェラテやカプチーノなどにしてから飲み人もいます。
そんなエスプレッソはエスプレッソマシンと呼ばれる機械で作られるのですが、その際に「エスプレッソグラス」と呼ばれるグラスが使用されます。このグラスは上質なエスプレッソを作るために非常に重要な役割をしています。
今回はそんなエスプレッソを影で支えているエスプレッソグラスについて、エスプレッソグラスはなぜ重要なのかに触れながら書いていこうと思います。
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エスプレッソグラスとは何か
エスプレッソグラスとはひとことで言うと、エスプレッソを抽出する際にその受け皿として使うグラスのことです。エスプレッソはエスプレッソマシンという機械で圧力を加えられて出来上がります。
エスプレッソマシンで抽出されたエスプレッソをいきなりカップに入れてもいいのですが、カフェラテやカプチーノなどエスプレッソ以外にホットミルクの準備をしたり、シロップの準備をしたりする必要がある場合には、エスプレッソを機械から直接カップに入れずに、いったん受け皿となるグラスが必要になります。
その際に使用するのがエスプレッソグラスです。エスプレッソグラスでエスプレッソを一時的に”保管”しておき(保管と言っても数秒ですが)、準備がきたらエスプレッソグラスに入れておいたエスプレッソをカップに注ぎます。
とてもシンプルでただの受け皿ではないかと思うかもしれませんが、実はこのエスプレッソグラスは意外にも奥が深く、いろんな機能が備わっているのです。
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エスプレッソグラスはエスプレッソの量が測れる
エスプレッソグラスの特徴のひとつにエスプレッソの量を正確に測ることができるということがあります。エスプレッソは一般的に1ショットで30mlを30秒で抽出するのが適量です。
この30秒という時間と、30mlという量がずれると、エスプレッソの味が均一ではなくなってしまい、場合によっては味が美味しくなくなることもあります。バリスタ選手権などではわざとこの時間や量をずらすこともあるようですが、それはプロだからこそあえて型を外せるのであって、普通のカフェでは30秒の30mlが守られています。
エスプレッソマシンは繊細で、その日の気温、温度、豆の状態などによって機械そのものの設定は同じでも抽出されるエスプレッソが変化します。そのためにエスプレッソグラスを使ってしっかりとエスプレッソの分量を図り、30mlか確認することはとても重要なのです。
エスプレッソグラスではクレマの状態を確認できる
エスプレッソグラスは透明なグラスでできているので、エスプレッソの状態を目で確認できるという特徴もあります。美味しいエスプレッソは「クレマ」「ボディ」「ハート」という3層から出来上がります。
エスプレッソを透明なエスプレッソグラスに入れてその3層の状態を断面で確認することで、エスプレッソの質を確認することができます。
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エスプレッソグラスは厚みがあって割れにくい
エスプレッソグラスの特徴に厚みがあって割れにくいということもあります。カフェなどでは1日に何杯ものエスプレッソを抽出するのですが、もし薄く割れやすければすぐに壊れてしまいます。
そのためにエスプレッソグラスはかなり分厚くて、多少の衝撃を与えても割れることはありません。また、厚みがあるので熱いエスプレッソを入れたばかりでも素手で持つことができます。
とはいうものの、たまには何回もエスプレッソを抽出していると熱い部分を手で触ってしまい、思わず反射的に手を離してエスプレッソグラスを地面に落として割ってしまうこともあります。初心者バリスタのあるある話なのですが、油断をするといくらエスプレッソグラスを使っていても痛い目に合います。
このように、エスプレッソグラスは1個500円くらいとやや高めですが、エスプレッソをうまく抽出するために様々な工夫がほどこされています。あまり意識している人はいませんが、美味しいエスプレッソをずっと影で支えているのです。
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