コーヒー業界ではしばしば倫理的な活動をしているのかどうかが問題になることがあります。倫理とは英語でエシカル(Ethical)と言うことから「エシカルコーヒー」という言葉を使って、飲んでいるコーヒーが倫理的に正しい方法で調達されて提供されているのか区別することがあります。
コーヒー業界における倫理的な問題とはコーヒー農園との関係を指すことが多いです。かつてはコーヒー農家の人たちからコーヒー豆が買い叩かれており、途上国のコーヒー生産者がまともな生活を出来ないと話題になりました。
実際に「おいしいコーヒーの真実」という映画も出されており、途上国で働いているコーヒー農家の人たちに配慮すべきだという風潮が高まったこともあります。
そんなこともあり、コーヒー最大手のスターバックスコーヒーでは「エシカルコーヒー」について倫理的な活動を行っております。今回はそんなエシカルコーヒーについてスターバックスの活動にも触れながら書いていこうと思います。
- 参照記事
- 妊娠中(妊婦)にコーヒーがダメな理由とノンカフェインコーヒー
エシカルコーヒーとは何か
エシカルコーヒーとはひとことで言うと、倫理的に正しく取引されたコーヒー豆を買い付けることを言います。一般的にコーヒー豆は途上国で生産されることが多いのですが、中にはコーヒー農家に十分なお金を支払わずにコーヒー豆を安く買い叩く問題も発生しています。
また、お金の問題だけではなくて環境的な問題からも、コーヒー豆を精製する過程で出てくる殻カスを大量廃棄して環境問題になることがあります。
エシカルコーヒーではこういった問題を解決するために、コーヒー豆をしっかりと倫理的に問題ないところから適切な価格で仕入れることを意味します。
フェアトレードコーヒーやダイレクトトレードなどとも通じるところがありますが、倫理的にしっかりとした取引を行うことで、持続可能で長期的な安定した仕入れを行うことができるという考え方があり、少し前から重要な問題として話題に上がっています。
- 参照記事
- ストロングコーヒーとは?普通の意味とコーヒー業界の意味は違う
スターバックスコーヒーのエシカルコーヒーへの取り組み
そんな倫理的にコーヒー農家の人たちと取引をするということがモチーフのエシカルコーヒーですが、コーヒー最大手のスターバックスコーヒーはこの問題を重く受け止めて、真剣に取り組んでいます。
私が以前、スターバックスに行った際に「99%」という数字があらゆるところに書かれていることがありました。何かのキャンペーンなのかなと思っていたのですが、それはエシカルコーヒーのキャンペーンでした。
スターバックスで使用されているコーヒー豆の99%は倫理的に正しく取引されているということを意味して「99%」という数字が使われていました。実際にスターバックスではエシカルコーヒーを取り扱うために世界中に「ファーマーサポートセンター」という施設を建設し、倫理的に仕入れるための施策を打っています。
大企業になればなるほど倫理面やCSR面などをお客さんから責められるのかもしれませんが、業界のトップを走るスターバックスのこのような取り組みは賞賛に値すると思います。
99%のキャンペーンを行っていた際には、エシカルクイズといって、オンラインからエシカルコーヒーに関するクイズに答えて全問正解すると無料ドリンクチケットがもらえるというイベントも行っていました。
- 参照記事
- リキッドコーヒーとは?ギフトにも最適なアイスコーヒー
エシカルコーヒーを通してコーヒーの味も変わる
エシカルコーヒーは当然倫理的な側面からも大切なことですが、コーヒーを最終的に飲む消費者にも多くのメリットがあります。しっかりとコーヒー生産者が生活に困らないお金を支払うことでコーヒー豆を安定的に仕入れることができるためです。
また、しっかりとしたお金が入ればそのお金をコーヒー豆の品質向上に回すこともでき、コーヒー豆そのものの味を向上させることができる可能性もあります。
このようにエシカルコーヒーはコーヒー生産者と倫理的にフェアな取引をしようというものであり、少し前からコーヒー業界ではとても重要な問題となっています。最近ではどの企業も倫理面に配慮しており、今後もコーヒー生産国とコーヒー消費国でさらなる関係の強化が期待されています。
- 参照記事
- パーコレーターとは?その原理と使い方について