ギリシャにはエーゲ海に囲まれた美しい島々がたくさんあります。その中の1つにイカリア島という美しい島があるのですが、この島はその美しさ以外に“人が長生きする島”としても知られています。
実際にこのイカリア島に住んでいる90才以上の高齢者の割合は他の国よりも圧倒的に多く、何人もの研究者がその原因を追求してきました。その中で理由として考えられたのがこの島で古くから飲まれている「ギリシャコーヒー」でした。
健康に長生きしたいという思いは世界共通の永遠のテーマです。今回はそんな長寿の秘訣を握っているかもしれないギリシャコーヒーについて書いていこうと思います。
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ギリシャコーヒーとは何か
ギリシャコーヒーはなかなかひとことでは言いにくいのですが、無理に言うとエスプレッソに似たような飲み物です。詳しい作り方は後述しますが、小さい鍋でコトコトとコーヒーと砂糖を煮込んでデミタスカップに入れてそれを飲みます。コーヒーの粉ごとカップに入れるので、コーヒーの粉は飲まないように上澄みだけすするように飲みます。
ギリシャで古くから飲まれる伝統的なコーヒーなのですが、実はトルココーヒーというトルコで昔から飲まれているコーヒーとほぼ同じです(笑)
歴史的にギリシャとトルコは戦争で敵対関係にあり、仲が非常に悪いです。そのためにギリシャコーヒーもトルココーヒーもほぼ同じ飲み物なのですが、ギリシャでは決してトルココーヒーとは呼びません。飲み方だけでなく、飲み終わったらカップの底に残ったコーヒーの粉の模様で占いをするところまで同じです。
ギリシャコーヒーは作っている際に入れる砂糖の量に応じて甘さをコントロールします。砂糖をたくさん入れて最も甘いのが「グリコ」、まあまあ砂糖を入れるのが「メトリオ」、あまり砂糖を入れないのが「ケスト」と3種類に分かれます。
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- トルココーヒーとイブリックとは?その入れ方と飲み方について
ギリシャコーヒーの効果・効能
寿命が他のエリアよりも圧倒的に長いイカリア島で研究者たちは、島の住民が古くから飲んでいるギリシャコーヒーに長寿の原因があるのではないかと考えました。
研究を行ったアテネ大学医学部の博士によると、ギリシャコーヒーはカフェインが他のコーヒーに比べて少ないにもかかわらず、ポリフェノールは多く含まれているそうです。ポリフェノールにはアンチエイジングの効果があり、特に血管機能が向上して若さの秘密になっているのではないかと考えられています。
コーヒーが人間の身体に与える良い影響についてはこれまでもいくつかの研究機関が発表していきましたが、ギリシャコーヒーにも同様に多くのメリットが存在しているようです。
ギリシャコーヒーの作り方
ギリシャコーヒーの作り方は、他のコーヒーの作り方と比べると少し特殊です。まず必要な材料としては、
深煎りのコーヒー・・・9g
砂糖・・・9g(甘さの好みによって調整)
水・・・70cc
であり、これに加えて調理器具としてデミタスカップと小さい鍋が必要になります。
作成手順は、まず小さい鍋にコーヒーと水と砂糖を入れて、それを弱火でかき混ぜながらグツグツと煮込みます。数分で沸騰して泡立つので、泡立ち始めたかなというタイミングでいったん火を消します。
そして少し冷ましたらまた火をつけて、また泡立ち始めたかなというタイミングで火を消すという作業を3回くらい繰り返します。これでギリシャコーヒーの完成です。デミタスカップに移す際には泡をつぶさないように注意してください。
ギリシャコーヒーの飲み方と味
ギリシャコーヒーを鍋からデミタスカップに移す際に、コーヒーの粉も一緒にデミタスカップに入ってしまいますが、特に気にせずに全部入れてしまって大丈夫です。
そのためにギリシャコーヒーを飲む際にはじっくりと時間をかけて飲むのが一般的です。コーヒーの粉がデミタスカップの下に沈んで、上澄みだけ飲むようなイメージです。すぐに飲むとコーヒーの粉も一緒に飲んでしまいザラザラします。
気になるギリシャコーヒーの味ですが、普通のコーヒーに比べてかなり濃厚でコクが強いです。エスプレッソに近いのですが、エスプレッソとは少しちがう斬新な感じです。しかし砂糖の影響で濃厚でも飲みやすく、後味は意外にもあっさりとしています。
たまには長生きの秘訣として注目されているギリシャコーヒーを気分転換に飲んでみても良いかもしれませんね。
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