カリブ海に浮かぶ島々の中にハイチという国があります。カリブ海はちょうど中央アメリカと南アメリカをつなぐ部分あたりになるのですが、コーヒー豆の生産が非常に盛んなエリアです。
日本人ならばそんなにコーヒーが詳しくない人でも”ブルーマウンテン”というコーヒーがあるということを聞いたことがあるかと思いますが、このブルーマウンテンもカリブ海に隣接するジャマイカという国で生産されています。
ハイチもそんなブルーマウンテンと同じ中米の国であり、日本ではあまり有名ではありませんが、とても美味しいコーヒーがたくさん生産されることで知られています。
今回はそんなハイチ産のコーヒー豆についてその栽培方法、生産状況、味の楽しみ方などについて書いていこうと思います。
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ハイチ産コーヒー豆とは何か
ハイチで栽培・収穫されたコーヒー豆のことをハイチ産コーヒー豆と呼びますが、コーヒー豆はハイチにとって極めて重要な農産物です。もともとはハイチがフランスによって植民地支配をされた際にコーヒーが移植されたのがハイチでコーヒー豆の栽培が始まったきっかけでした。
ハイチではコーヒー豆以外にもマンゴーやココアなどさまざまな農産物が作られていますが、コーヒー豆は輸出品目としてのウェイトが重く、ハイチの経済を支えている重要な農産物であると言えます。
ハイチのコーヒーを栽培するのに最適な環境を利用して栽培されており、日本にはあまり輸入されていませんが、日本の一部のレストランではラム酒に合わせた飲み物としてハイチ産コーヒーを提供しているそうです。
ハイチ産コーヒー豆の栽培状況
ハイチは赤道に近い温暖な気候でありコーヒー豆を栽培するのに適した環境が整っています。土壌も火山灰生でありミネラル分を多く含んだ肥沃な土壌です。標高も高く昼夜の温度差も激しいので、身の引き締まった美味しいコーヒー豆が出来上がります。
大規模なプランテーションではない小規模農園が大半を占めており、山岳地帯であるために収穫の機械も十分に使えず、手積みで丁寧にコーヒー豆が収穫されています。
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ハイチ産コーヒー豆の生産
今の時代でコーヒー豆の最大の生産地はブラジルですが、実は今から300年近く前の1700年代にはハイチが世界最大のコーヒー豆の生産国でした。しかし、政治的な混乱を影響でコーヒー農家の人たちがボイコットのような形でコーヒー豆の生産を止めてしまい、コーヒー産業は一気に廃れました。
その後1850年頃になると再度コーヒー豆の生産が増加し、生産量は年によって上下はしたものの、世界でもトップ3に入る生産を行っていいるコーヒー大国でした。
しかし、最近ではハイチにおけるコーヒー豆の生産は自然災害などの影響もあり衰退をたどっており生産量は大幅に低下しています。
このようにハイチではコーヒー豆の生産が大きく上下する傾向にあり、今はあまり生産量が多くありませんが、またいつかコーヒー生産大国になる可能性はあります。
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ハイチ産コーヒー豆の味の特徴
ハイチ産コーヒー豆の味は、さっぱりとしていて苦味があまりないです。そのために強めなコーヒーが苦手で、さっぱりとしたコーヒーでリラックスしたいという人にはおすすめな産地といえます。ほんのり甘いフルティーさと、ちょとしたスパイシーな風味も加わっています。
ハイチ産のコーヒー豆はヨーロッパに多く輸出されて日本にはあまり輸出されないので、見かけることは少ないですが、ラム酒にハイチ産のコーヒー豆が合うとのことで少しだけ流行っており、一部のレストランでは飲むことができます。
このようにハイチ産のコーヒー豆はコーヒーを栽培するのに最適なカリブの環境によって支えられており、生産量自体は衰退傾向にはあるものの、その味は本物です。興味がある方はぜひ一度試して見てください。
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