コールドブリュー、スペシャルティコーヒーなどたびたびブームになるコーヒー。近年ですと、「Blue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)」の上陸も話題になりました。
そもそもコーヒーは、いつから飲まれるようになったかご存知ですか?簡単にコーヒーの歴史をみてみたいと思います。
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日本では幕末からコーヒーが飲まれていた
『長崎土産』という文献によると、1847年(弘化7年)長崎のオランダ商館から伝来したとされています。伝来してきた初期の頃、大田南畝(蜀山人)という人が、オランダ商館で飲用した記録が残っていますが、「焦げ臭くて味わうに堪えず」と評しています。
日本以外に目を向けると、例えば、17世紀に中東で初めてコーヒーを飲んだヨーロッパ人旅行者は「味は苦く、良い香りがするわけでもないが現地で愛飲されている」と記しています。
文化は違えど、それぞれの社会で最初に飲んだ人たちにとって、コーヒーは「おいしいもの」ではなかったのですね
「珈琲」という呼び方になっていたのは、明治になってからでした。 それまではかうひい・かうへい・可否・架口非・口加口非などなど、いろいろな表現がされていました。
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日本人が発明したインスタントコーヒー
日本で本格的にコーヒーが普及していくのは戦後になってからですが、現在世界中に普及しているインスタントコーヒーの発明者は、実は日本人であることは、ご存知でしょうか?
1899年(明治32年)にシカゴ在住の科学者加藤サリトル博士という人が発明しました。第二次世界大戦のアメリカで、軍用飲料として大活躍したとされています。
また、余談ですが、最高級コーヒー豆として知られる「ブルーマウンテン」というブランドも、日本人が作り上げたものです。
コーヒー以前の利用法
日本にやってくるもっと前。コーヒーとして飲まれる以前の、その起源について紹介します。最初にコーヒーノキと出会い、利用していたのは、アラビカ種の原産地であるエチオピア西南部の人たちだと考えられています。
その頃は、種子や葉をお茶のようにして飲んだり、果肉を炒めて食べたり、薬にしたり、求婚する男性から女性の両親への贈り物にするなど、様々な利用法が見られました。
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コーヒーは“くすり”だった?!
コーヒーについて書かれた最古の文献は、10世紀ペルシアの大医学者アル=ラーゼスの著述をまとめた『医学集成』(925年)だといわれています。この本には、何らかの植物の果実や種子を煮出して作る「ブン/ブンカ」という“くすり”が収穫されていたと記されており、コーヒーのルーツだとされています。
ただし、この頃のコーヒーは、生豆をそのまま煮出すものだった可能性が高く、現代のコーヒーとは別物と考えるべきでしょう。また、時代は下って15世紀のイエメンでは、スーフィーと呼ばれるイスラム教の修行者たちの間で広まった「カフワ」という飲み物として、使用されていた例もあります。
これは、修行中にトランス状態に至ることで神の精神に近づけると信じていた修行者たちが、覚醒と興奮をもたらすものとして用いていました。誤解を恐れずに言えば、“ドラッグ”のような使い方… 現在の嗜好品としての位置付けではなく、もっと特別なものとして扱われていたのですね。
では、コーヒーの発明はいつか?
残念ながら、現在のような生豆だけを煎って使う飲み方はいつ、どこでそうなったかは詳しいことはわかっていません。
しかし、16世紀末から17世紀前半に中東を旅行したヨーロッパ人の手記には、現在のような飲み方のものがみられるようになっているので、その過程で飲み方が確立されていったことは確かのようです。身近な飲み物コーヒー。たまには歴史に思いをはせて、じっくり味わってみるのもありかもしれません。
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