「ホンジュラス」という国を知っていますか?
中央アメリカに位置する国土は、赤道よりやや北、ほとんどが高地にあたり、コーヒー栽培に適しています。
栽培そのものの歴史としてはとても古いのですが…、ホンジュラス産のコーヒーが世界に出回ったのは近年のことなのです。

出典:https://ja.wikipedia.org/
ホンジュラスってどんな国?
アメリカ大陸のちょうど真ん中くらいに位置するホンジュラス。
高地に囲まれ、国土のうち平地が占めるのは二割ほどというのですから、もうほとんど山といって良いですね。標高は2800mほどまであり、コーヒー栽培に適した土地は非常に豊富なのです。
これは近年までコーヒー輸出が盛んでなかったことと関わりがあるのですが、国はとても治安が悪く、観光も推奨されていません。データを細かく出すと怖いので、とにかく治安が微妙、ということで…。
ホンジュラスコーヒーの歴史
ホンジュラスでは、19世紀末頃からコーヒーの栽培が行われてきました。
タンザニアのように、別の国から持ち込まれて栽培が盛んになるというパターンもありますが、ホンジュラスはその逆です。自国では栽培が多く行われていながら、その九割ほどが自国で消費される(飲まれる)という状況でした。
せっかく栽培に向いている環境があるのですから、本当は輸出産業として発展したいところですよね。
そんなわけでホンジュラスも少しずつコーヒーを輸出するようになり、1990年頃には数万トン、輸出率も五割を越え、2018年初旬のデータでは約36万トン、世界シェアの約4%を占め、コーヒー生産量世界6番目となりました。
中米の小さな国(日本の1/3以下)でありながら、世界トップクラスの生産量を誇るのはすごいことですよね。
ホンジュラスコーヒーの味わい
ホンジュラスコーヒーは、苦味、酸味ともにバランスの良い味わいだという評価が多いです。
とても飲みやすいといわれていますね。
またホンジュラスでのコーヒー等級は、標高で区分けされていて、標高の低いところでのコーヒーから、「セントラルスタンダード(CS)」「ハイ・グロウン(HG)」「ストリクトリー・ハイ・グロウン(SHG)」などと呼ばれています。
ストリクトリー・ハイ・グロウンで大体1200m~、スタンダードは600m~900mほどらしいです。コーヒーは高地で栽培されたものほど良質とされますから、標高を等級と定めている国は他にも結構あります。(パナマ、ニカラグアなど)
治安諸々の事情から輸出が盛んでなかった頃から、あっという間に世界トップクラスの生産国へと急成長したホンジュラスコーヒー。バランスの良い味わいは飲む人を選びません。
今後さらにシェアを拡大し、よりポピュラーに愛されるブランドへとなるかもしれませんね。