あれは僕が社会人2年目の頃でした。誕生日を迎えた僕は当時付き合っていた彼女におしゃれなレストランに連れて行かれました。基本的におしゃれなレストランに行くと食事のルールなどが僕はよくわからないので困惑するのですが、その時もどうやって食べればいいか分からずに困惑してました(笑)
なんとか食事を乗り越えて、食後のコーヒーのような段階でバーテンダーがコーヒーにウイスキーを入れてそれを炎で燃えたような感じで提供してきました。もはやどうやって飲むのか完全に分からなくなっていましたが、こんな飲み物があるんだと驚いたことを今でも覚えています。
今回はそんな炎に燃えるウイスキー入りのコーヒーである「アイリッシュコーヒー」について書いていこうと思います。
目次
1). アイリッシュコーヒーとは何か
2). アイリッシュコーヒーの誕生物語
3). アイリッシュコーヒーの味と飲み方
4). アイリッシュコーヒーの作り方(レシピ)
5). アイリッシュコーヒーはアイスでも作ることが出来る
6). アイリッシュコーヒーの度数について
7). アイリッシュコーヒーには専用グラスがある
アイリッシュコーヒーとは何か
アイリッシュコーヒーとはひとことで言うと、アイリッシュ・ウイスキーをベースにしたカクテルです。カクテルとはいうものの、その中にはコーヒー、生クリーム、砂糖がたっぷりと入っているのでかなり甘いです。
アイスとホットと両方あり、お店によってはアイリッシュコーヒーに火をつけて、燃えている状態で提供しているところもあります。ヨーロッパでは広く知られている飲み物であり、日本でも一部のレストランなどで提供されています。
少し前にタリーズコーヒーがアルコールは入っていないものの、アイリッシュコーヒー風のドリンクを販売していたこともありました。コーヒー好きであり、かつアルコール好きな人にはぴったりな飲み物です。
アイリッシュコーヒーの誕生物語
今では世界中で飲まれているアイリッシュコーヒーですが、考案されたのは1938年と割と最近でした。当時の飛行機は今のように性能が高くなかったので、ヨーロッパからアメリカに行くにはいったん給油をする必要がありました。
その給油地として、ちょうど間くらいにあるアイルランドのフォインズ飛行場がよく使われていました。飛行機の乗客はアイルランドで給油する際にはいったん飛行機から降りて飛行場で待機をする必要がありました。
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アイルランドは緯度も高くかなり寒い国ですが、乗客はその寒さに耐えながら給油を待ち続けていました。そんな状況を見ていた飛行場にあるパブのシェフであるジョー・シェリダンは、なんとかならないものかと考えました。
そこで彼が思いついたのがアイリッシュコーヒーだったのです。暖かいコーヒーにアイリッシュ・ウイスキーを入れて、さらにアイルランド名物の牛乳を使った生クリームで甘さを追加し、これで凍えている乗客を温めようとしたのです。
このアイリッシュコーヒーが乗客の間でたちまち人気になり、口コミで世界中に広がっていきました。1952年にはサンフランシスコの名門カフェである「ブエナ・ビスタ・カフェ」でも提供されるようになり、一気に認知度が高まりまりました。
寒さに耐えている乗客をなんとか温められないかと苦心したシェフの優しさがアイリッシュコーヒーを生み出したのです。
アイリッシュコーヒーの味と飲み方
そんなアイリッシュコーヒーの味なのですが、純粋に甘いカクテルになります。ウイスキーの芳香な香りに、コーヒーの苦味が追加され、それを生クリームと砂糖の甘味が包み込み、バランスの良い味がします。
アイリッシュコーヒーには生クリームが上に乗っているのですが、これは混ぜずに飲むのが正しい飲み方だそうです。生クリームをすすりながら、そこにコーヒーとウイスキーが入り込んでくる感覚を楽しむのがポイントです。
火をつけて飲む場合には、火が消えるまで待って、消えた段階で匂いも楽しみながら飲みましょう。火をつけることはパフォーマンスとしての意味合いももちろんありますが、アルコールを少し飛ばしてよりまろやかな味にするという意味合いもあるのです。
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アイリッシュコーヒーの作り方(レシピ)
ぱっと見、素人には作るのが難しそうなアイリッシュコーヒーですが、意外と簡単に誰でも作ることができます。準備するものは、コーヒー1杯分、アイリッシュ・ウイスキー30ml、角砂糖かブラウンシュガー3個、生クリーム適量になります。
アイリッシュコーヒーを入れる容器は、普通のマグカップでも当然良いのですが、耐熱性のグラスがあれば、見栄え的にもっと良いです。
アイリッシュコーヒーの作り方は、まずグラスにホットコーヒーを入れて、そこに角砂糖かブラウンシュガーを入れます。次にアイリッシュ・ウイスキーを注いで、かき混ぜます。最後にその上に生クリームをフロートさせたら完成です。
ホットでアイリッシュコーヒーを作る際には、アイリッシュ・ウイスキーが冷たいと飲み物の温度が下がってしまうので、1度エスプレッソマシン(なければ電子レンジ)で温めてから注ぐと良いです。
作ってみると分かるのですが、最後に生クリームをフロートさせるが難しいです。コーヒーと生クリームがうまく分離せずに、グチャっとなってしまったりして見栄えが悪くなるためです。
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アイリッシュコーヒーはアイスでも作ることが出来る
アイリッシュコーヒーはホットで飲まれることが多いですが、アイスにしても飲むことができます。そして、アイスのアイリッシュコーヒーを作る際もほとんど作り方は同じです。ホットコーヒーをアイスコーヒーに変えて、角砂糖をガムシロップに変えるくらいです。
個人的な印象かもしれませんが、アイスにした方が比較的に飲みやすい気がします。ウイスキーっぽい味があまり好きでない人はアイスのアイリッシュコーヒーを飲むと比較的に飲みやすいかも知れません。ただし大人っぽい味を楽しみたいならばホットの方がおすすめです。
余談ですが、ウイスキーの種類を変えることで、アイリッシュコーヒー以外の他のドリンクも作ることができます。具体的には、ウイスキーのベースをスコッチに変えれば「ゲーリック・コーヒー」コニャックに変えれば「ロイヤル・コーヒー(カフェ・ロワイヤル)」などです。
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アイリッシュコーヒーの度数について
アイリッシュコーヒーにウイスキーが入っているとなるとお酒が苦手な人はそれが理由で酔っ払ってしまわないか心配になる人もいるかと思います。しかし、アイリッシュコーヒーのアルコール度数はものにもよりますが1%にも満たないものが多いです。
一般論としてお酒とは1%以上のアルコール度数があるものを指すので、アイリッシュコーヒーはお酒には分類されずに、あくまでコーヒーの一種になります。なので未成年であっても理屈上はアイリッシュコーヒーを飲むことができます。
しかし、それでもお酒はちょっとという人はアイリッシュコーヒーを控えた方が良いでしょう。お店によってはノンアルコールにして、その代わりにフレーバーをつけてくれるところもあるようなので、お店の人に相談して見ても良いかも知れません。
アイリッシュコーヒーには専用グラスがある
アイリッシュコーヒーはホットで飲まれることが多いですが、一方でコーヒーと生クリームが2層に分かれている状況も見たいので、アイリッシュコーヒー専用のグラスが存在します。この専用グラスには大きめの持ち手が付いており、ホットでも手で持って熱くありません。
また、グラスが透明なのでアイリッシュコーヒーを入れた後の見た目が非常に格好良く、より優雅な気分で飲むことができます。わざわざアイリッシュコーヒーのためにグラスを買うのは馬鹿らしいと感じるのももっともですが、あえて普段よく使わないものにしっかりとしたグラスを準備することでより優雅な気分になれるかもしれません。
普段あまり見かけることのないアイリッシュコーヒーですが、カルーアミルクのような甘いアルコールが好きな人にはオススメです。コーヒーをいつもとはちょっと違う形で楽しんでみても面白いかもしれませんね。
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