コーヒーの種類としてアラビカ種やロブスタ種(ネカフォラ種)は有名ですが、実はコーヒーには他にもいくつかの種類が存在します。その中の1つが「リベリカ種」です。このリベリカ種を知っている人はあまりいませんが、コーヒー三大原種の1つにも入っています。
その希少性から”伝説”という言葉が使われることもあり、レアなコーヒー豆として扱われています。日本ではほとんど見かけることがありませんが、今回はそんなリベリカ種のコーヒー豆について、その特徴や生産地などについて書いて行こうと思います。
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リベリカ種とは何か?
リベリカ種とはひとことで言うと、コーヒー豆の種類の1つであり、 アラビカ種やロブスタ種(ネカフォラ種)とともにコーヒー三大原種のひとつにあげられています。アフリカのリベリアが原産地ですが、世界全体のコーヒー流通量の1%以下の生産性しかなく、ヨーロッパでの消費が多いので日本で見ることはほとんどありません。
あまり知られていませんが、先ほどのアラビカ種、ロブスタ種(ネカフォラ種)、リベリカ種がコーヒー三大原種なのですが、他にも50 種類を超える種類が存在しています。知られていないだけで、実はコーヒーにはいろんな種類があるのです。
その中でもリベリカ種の歴史はそこまで古くなく、19世紀の終わりに発見されました。はじめは原産地でのみ消費されていましたが、次第に他の国へも知られていくようになり、最近ではリベリカ種の生産をより多くしようという動きもあるようです。
リベリカ種の特徴
リベリカ種は栽培条件がそこまで厳しくなく、標高がそこまで高くない平地でも栽培することができます。気温や湿度などの栽培条件もそこまで厳しくないのですが、コーヒーの天敵であるさび病には弱いです。
また、コーヒーチェリーが成熟するまでに時間を要し、コーヒーノキの長さは高くて収穫が大変であることや、アラビカ種に比べるとどうしても味が劣ってしまうことから生産量は低いです。他にも豆の大きさにばらつきがあって均等に焙煎しにくいなど問題点は多いです。
現在は研究の対象としてリベリカ種が使われていることが多いので、もしかしたら近い将来に交配などでより品質の高いリベリカ種のコーヒー豆の生産ができる可能性があります。
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リベリカ種はフィリピンやマレーシアで生産されている
リベリカ種はもともとはアフリカのリベリアが原産なのですが、今ではリベリアではほとんど生産されていません。その代わりにフィリピン、マレーシア、インドネシアなどのアジアで栽培されるようになりました。
現在リベリカ種の生産国として有名なのがフィリピンです。もともとフィリピンではさび病というコーヒーの病気が蔓延してコーヒー豆の生産に大打撃を与える前までは世界有数のコーヒー生産国でした。しかし、さび病が蔓延したあとは生産量が一気に落ちこみました。
今ではロブスタ種の生産が多いのですが、コーヒー農家の中ではリベリカ種を家庭用に生産しているところもあります。
フィリピンに次いでリベリカ種の生産が盛んなエリアがマレーシアです。マレーシアのリベリカ種はエレファントコーヒーというブランド名のもとで日本でも一部販売されています。マレーシアのリベリカ種はスパイシーさが特徴と言われています。
このようにリベリカ種はコーヒーの三大原種のひとつとしてアラビカ種やロブスタ種に続く存在になっています。その生産量が少ないのでなかなか飲める機会が少ないですが、1回はどこかで飲んでみたいですね。
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