コーヒーリキュールといえば、「カルーア」を連想する人も多いはず。「カルーア(Kahlua)」という製品名は、アラビア語でコーヒーを表す「カフワ(kahua)」からきているそうです。
ちなみに、カフワは白ワインを指すこともありますが、それはイスラム教の神秘主義スーフィーと呼ばれる人たちが使っていた、トランス状態に至るための“ドラッグ”がカフワと呼ばれていたことに由来します。スーフィーたちは、修行中にトランス状態に至ることで神の精神に近づけると信じていたため、カフワを使用していました。
よって、戒律すれすれの大麻などを使うこともあれば、コーヒーや白ワインを用いることも。まさに魅惑の飲み物ですね。話を戻しますと、このカルーアを使ったカクテルで、一番有名なのは、カルーアミルクではないでしょうか?どこの居酒屋のメニューにもあるといっても過言ではない、カルーアミルク。
甘くて飲みやすいので、まだお酒に慣れていないときによく注文していた記憶があります。女性にも人気なカクテルです。個人的には、甘くて料理に合わないという理由で、最近すっかり飲まなくなっていました。しかし、侮るなかれ。バーで飲むカルーアミルクは一味違います。
- 参照記事
- ブラック・ルシアンとは?コーヒーカクテルの作り方(レシピ)
バーでカルーアを飲む
大阪で行きつけのバー。東京に住むようになってからは、すっかり足が遠のいていますが、大阪に夜までいるときは、ちょくちょく顔を出します。歴史もあるオーセンティックバーで、私の顔はもちろんのこと、私がいつも何を好んで飲むかも記憶してくれている。本当に居心地がよく、これがプロの仕事なんだろうなぁといつも感動します。
ここのお店のハイボールとマンハッタンが好きな私。しかし、今回はすごーく疲れていて。甘いお酒が飲みたかった。
「いつもと違う、カルーアミルクはいかがですか?」と勧められ、「お任せします」とそのままオーダー。カルーアと牛乳をシェイクして、生クリームが添えられて出てきました。
…まるでデザートみたい。口当たりもなめらかで、生クリームがまたいい。チョコレートとも違い、甘すぎず。ホットではなくアイスで、スッキリ飲める。自分で作る牛乳と混ぜただけのカルーアミルクとは、全然違う。もちろん、普通の居酒屋で出てくるカルーアミルクとも、全くの別物。
「お酒が苦手な人が頼むメニュー」とちょっと舐めていた面もあったのですが。見方が180度変わりました。カルーアミルクさん、ごめんなさい。ここのバーでは、以前は、KAMOK(カモク)というコーヒーリキュールを出していたとか。
カモクは、フランスの老舗リキュールメーカー「ヴリニョウ社」の看板商品で、今から約180年前、1832年のフランスで生まれたコーヒーリキュールです。カモクという名前は、アラビア語のMOKAコーヒーの綴りを並び替えたものから来ているそう。ちなみに、アルコール分40%のコーヒーリキュールは、カモクだけだとか。次は、このコーヒーリキュールも是非味わってみたいものです。
- 参照記事
- カルーア・ミルクというコーヒーを使ったアルコールドリンク
東京のバーでも
実は、東京のバーでもコーヒーリキュールを使ったカクテルに巡り会いました。そこは、サイフォンを使ってコーヒーを淹れ、その場でコーヒーリキュールを作ってくれます。もう目から楽しませてくれますよね。
「変な機械が出てきた」と店内のお客様も興味津々。「なんでバーでサイフォン?」という思いが強いですよね、やっぱり。マスターは、そんな視線をよそに、にこにこしながら淡々とカクテルを作っていきます。そして出てきたカクテルは、ホットカクテル。
今、目の前で作られた自家製コーヒーリキュールと何かスピリッツ(たぶんラム系だったと思う)を合わせたカクテル。シナモンスティックが添えられてでてきました。名前は…なかったと思います。味は、私が知っているコーヒーリキュールとは全然違いました。
まず、甘くない。無駄なものが入っていない。コーヒーの香りと風味がそのまま感じられる。体の芯からあったまります。シナモンスティックもアクセントになって。なんとも贅沢な気分です。さらに、お店の全視線を集めるパフォーマンスから入っているので「私のために作られた」という特別感が半端ない。この満足感は、バーでなければ味わえません。
市販のコーヒーリキュールから自家製コーヒーリキュールまで。簡単に手に入れられるし、自家製コーヒーリキュールは自分でも簡単に作ることができます。家で楽しんでもよし、バーで楽しんでもよし。でも出来れば、バーでも楽しんでほしい。コーヒーリキュール、おすすめです。
- 参照記事
- カフェ・ロワイヤルとは何か?ブランデーを使うコーヒーの作り方