カフェなどで大型の業務用エスプレッソマシンを見ているとそのデザイン性の高さやバリスタのテキパキとした作業に格好良いなと感じることがあるかと思います。エスプレッソマシンの細部までこだわり抜かれたデザインと、どっしりとした重量感はカフェ好きにはたまりません。
エスプレッソマシンはいろんブランドによって作られており、それぞれのブランドが独自のデザインで格好良いエスプレソマシンを販売しています。その中で世界的に有名なブランドがラ・マルゾッコ(La Marzocco)です。
かつて日本全国にあるスタバでもラ・マルゾッコは使われてきたことで日本でも有名になりました。今回はそんなラ・マルゾッコ(La Marzocco)のエスプレッソマシンについて書いていこうと思います。
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ラ・マルゾッコとは何か?
ラ・マルゾッコとはひとことで言うと、イタリアに本社を置くエスプレッソマシンメーカーの名前です。その機能性とデザイン性の高さから日本を含めた世界中のカフェで使われています。エスプレッソマシンメーカーの中でも世界トップレベルの企業の1つです。
1927年にイタリアのフローレンスにて設立され、それ以来ずっとハンドメイドで高性能のエスプレッソマシンを提供してきました。1つ1つ丹精込めて手法で作られており、伝統的な手法と最先端の技術が融合されたそのエスプレッソマシンは多くのファンを抱えています。
現在も創業した場所であるイタリアのフローレンスに本社と工場を構えていますが、バルセロナ、ロンドン、メルボルン、ミラン、シアトル、ソウルなど世界中に支社を設立して今ではグローバル企業になっています。
創業してから様々な種類のエスプレッソマシンを開発してきましたが、特に1970年から続くボイラーが2つあるタイプのGSシリーズは圧倒的な人気を誇っています。
ラ・マルゾッコの歴史
ラ・マルゾッコの歴史はかなり古く、1927年にイタリアのフローレンスにてジュゼッペ・バンビ氏とブルーノ・バンビ氏によって設立されました。フローレンスは世界最古のカフェも生まれた町であり、まさに”コーヒーを生み出した町”です。ラ・マルゾッコもそのフローレンスという町で生まれました。
もともとラ・マルゾッコという名前の由来も、創業の地であるフローレンスの勝利と制圧のシンボルからきているそうです。20世紀にイタリアでコーヒーの消費量が爆発的に増えるとそれに合わせて、バリスタに必要不可欠なエスプレッソマシンとしてラ・マルゾッコも拡大し、コーヒー文化を支えました。
1939年にはそれまで垂直方向にボイラーを設置するモデルが主流だったにも関わらず、水平方向にボイラーを設置するモデルを開発して特許を得ました。これによりエスプレッソマシンを効率的に稼働させることができるようになりました。
その後もいくつものモデルのエスプレッソマシンを開発して注目を集めてきたのですが、その中でも1970年に開発されたGSシリーズのエスプレッソマシンは最高級の評価を受けて絶大な人気を得ました。
GSシリーズのエスプレッソマシンは半自動式でボイラーが2つ設置されているのが特徴です。ボイラーを2つ設置することによってコーヒーの抽出とスチームの作成を切り離し、それによって温度を安定させると同時にエスプレッソの質を劇的に向上させました。
このGSシリーズはいくつもの賞を受賞して、その後2001年にはラ・マルゾッコはWorld Barista Championship(ワールドバリスタチャンピオンシップ)のスポンサーとなりコーヒー業界の発展に大きく貢献してきました。世界中にカフェを展開しているスターバックスのエスプレッソマシンとして導入されたこともあり、今では世界中に知れ渡った有名ブランドになっております。
ラ・マルゾッコの特徴
世界中のバリスタによって使われている ラ・マルゾッコのエスプレッソマシンですが、その最大の特徴はボイラーが2つあること(ツインボイラー)です。それぞれ独立したステンレス製のコーヒーボイラーとスチームボイラーにより、それぞれのボイラーを簡単に管理することができます。
ボディもステンレスが使用されており、丈夫で清潔に使うことができます。World Barista Championship(ワールドバリスタチャンピオンシップ)の認定機種でもあり、美味しいエスプレッソを抽出することができるマシンとして世界中から絶対的な信頼を得ています。
ラ・マルゾッコは家庭用エスプレッソマシンもある
あまり知られていませんが、ラ・マルゾッコには業務用エスプレッソマシンだけでなく、家庭用エスプレッソマシンもあります。2014年頃から販売が開始され、GS/3というモデルのエスプレッソマシンが売られています。
家庭用エスプレッソマシンとは言うものの、既存の家庭用エスプレッソマシンと比べるとスペックがかなり高く、どちらかと言うと業務用と家庭用の間に位置するようなエスプレッソマシンになっています。
このようにラ・マルゾッコはエスプレッソという概念を世界に広げたその中核の1つであり、昔から多くのファンを抱えてきました。これからも優れたエスプレッソマシンとして伝統と技術を融合させたマシンが世界中で使われていくことだと思います。
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