モカハラーとは?エチオピア産のコーヒー豆

モカハラーとは?エチオピア産のコーヒー豆

コーヒー発祥の地、エチオピア。その中でも最高級品として取引される、ハラー地区のコーヒーがあります。その名も「モカハラー」。この地は、エチオピアの首都アディスアベバから500キロ程離れた場所に位置し、エチオピアの中でも唯一イスラム教色の濃い町です。 モスクが99もあり、メッカのようにイスラム教徒の巡礼者が訪れます。2006年に世界遺産に登録された「歴史的城塞都市ハラール・ジュゴル」があることでも知られています。モカハラーは、このエチオピア東部のハラール高原に連なる山々、およそ標高2000メートルの地域で栽培されます。
火山灰土壌の上、日当たりが良い斜面と栽培地域の標高が高いことから、日中の温度差が激しく実がよく熟します。その完全に熟した豆のみを、一粒一粒、手摘で収穫します。モカハラーは、コーヒーの“モカ”と称されるモカの中でも、ロング・ベリーの上級品です。
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モカとは?

ハラーは、見ての通り地名ですが、では、モカは何でしょうか。モカとは、イエメンとエチオピア、両国産のコーヒー豆のことをいいます。 “モカコーヒー”あるいは単に“モカ”と呼ばれますが、イエメンの港モカから、コーヒー豆が多く積み出されていたことに由来しています。(ちなみに、この“モカ”は、“カフェモカ”とは違います。) しかし、それも過去のお話で、現在は、コーヒー豆集散地としての機能はなく、漁業と観光で成り立っています。イエメン産とエチオピア産のコーヒー豆が一緒に輸出されていた理由は、地図をみれば納得です。せっかくなので、Googleマップで検索してみてください。
「イエメン」で検索すると、イエメンという国は紅海に面しているのがわかると思います。紅海を挟んで、イエメンとアフリカ大陸が一番近くなっているところを見ていくと…「モカ」という地名が見つかるはずです。 モカコーヒーは、ここから積み出されていました。現在、エチオピアは内陸国となっていますが、紅海に面しているエリトリアは、1991年に独立するまでエチオピアに属していました。よって、この対岸に位置する両国の関係から、エチオピア産の豆も一緒にモカから輸出されていました。

モカは、コーヒーの原点

コーヒー需要が高まっていく中で、安いコーヒーを大量に生産したいと考えたヨーロッパ人たちは、それぞれの植民地に、このモカの豆を持って行き、コーヒーの栽培を始めたともいわれています。 つまり、南アフリカや東南アジアで栽培されているコーヒーの多くは、モカの港から運び出されたものなのです。エチオピアの高原地帯はアラビカ種の原産地、イエメンの山岳地域はコーヒーの商業的栽培の始まりの地です。イエメンとエチオピアは、まさにコーヒーの原点ともいえる生豆の生産国だということができるでしょう。
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ロング・ベリー

ロング・ベリーとは、生豆の形状のことです。モカは、イエメン産もエチオピア産もともに小粒の豆が多く、かつ不揃いというのが特徴です。欠点豆も多いです。この両国の中でも、少し形の違いはありまして、イエメン産は丸めでショート・ベリー、エチオピア産は長形でロング・ベリーと呼ばれます。 モカハラーは、通常、このロング・ベーリーが一般的な規格ですが、2度選別し、大粒の豆だけに選別したものは、ボールドグレインと呼ばれます。もちろん、2度選別しているため品質も高く数量が少ないため、高級品として取引されています。

では、モカハラーはどんな味?

最近は、焙煎の技術が向上したこともあり、酸味が少なくすっきりとした風味を楽しむことができます。モカ独特の香り、芳醇な苦味…。とはいえ、コーヒーの表現て、なかなかピンとこないものです。飲む前の蘊蓄はこの辺にして。百聞は一見に如かず。ぜひ、実際に味わってみてください。
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