「コーヒーは自律神経に影響を与える」「自律神経失調症の人はコーヒーを飲んじゃダメ!」このフレーズはコーヒーを嗜む方はもちろん、健康番組でも取り上げられたりするので、普段口にしない方でも聞いたことがあるのではないでしょうか?
これらのフレーズでは、さもコーヒーは「自律神経の天敵」のように聞こえますが、果たして本当にそうなのでしょうか?コーヒーを嗜む方は常に自律神経を意識してないといけないのか?また、自律神経を患ってしまったら好きなコーヒーを手放さなければならないのか?今回はこのテーマについて切り込んでいきたいと思います。
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自律神経に影響を与えるのはカフェイン
結論から先にお話すると、自律神経に影響を与えるのは「コーヒー」ではなくコーヒーの中に含まれる「カフェイン」の方です。カフェインはコーヒーだけに限らず紅茶や緑茶、さらに言えば清涼飲料水にも微量ながら含まれている成分です。
このカフェインが多く含まれている、代表格とも言えるコーヒーが矢面に立たされ「コーヒーは自律神経に影響を与える」と伝わっているのが実際のところなのです。単純な話、「ノンカフェインコーヒー」であれば、飲んでもほぼ何の問題もありません。
逆に言えば「自律神経を患ってしまったのでコーヒーを止めて紅茶を沢山飲むようになりました」だとむしろ悪化させている場合がある、ということです。では次に、自律神経の本当の天敵である「カフェイン」が与える影響について紹介していきます。
コーヒーは自律神経にどんな影響を与えるのか
まず自律神経というのは活動的な働きをする「交感神経」と、休息やリラックスをもたらす「副交感神経」のふたつがあります。カフェインがアプローチするのは「交感神経」の方です。
カフェインを摂取すると20分ほどで吸収され、交感神経が興奮状態になります。脳や体がフル回転状態になり作業効率が上がるため、職場や頑張りどころでコーヒーを飲む方が多いのは事実です。
でもこれはあくまでカフェインの影響による一時的なもので、しばらく経つと覚醒状態は終わってしまい「もう一杯」となっていきます。体や脳が疲れている状態にも関わらず、無理やり交感神経を刺激して働かせていることもあるので自律神経のバランスが整わなくなり、結果患ってしまう可能性があるのです。
また交感神経を興奮状態にするので、眠れなくなったりイライラしやすくなることもあります。ですが、カフェインにはいい作用もあります。例えば脂肪分解や燃焼を助けてくれたり、運動パフォーマンスを高めてくれます。
ここだけ聞くと「あれ?ダイエットにいいかも」とも思いますがカフェインを沢山摂取し続ければ…ということです。なので何事もそうですがバランスが大事、ということですね。
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自律神経に優しいコーヒーの飲み方
ここまでお話してきて、必ずしも「コーヒー」が自律神経に悪影響を与える訳ではないことはお分かりいただけたかと思います。しかし、それでもコーヒーには多くのカフェインが含まれているのも事実です。なので最後にコーヒーとの上手い付き合い方について、いくつか紹介します。
①飲む杯数を少なくする
例えば一日1杯飲む位であればさほど影響はありませんが、3杯以上になると要注意。なるべく減らすのが望ましいです。
②ノンカフェインコーヒーを取り入れる
毎日沢山コーヒーを飲む方はそのうちの何杯かをノンカフェインコーヒーに切り替えてみてはいかがでしょうか?
③1杯の量を減らす
コーヒーを淹れるカップを小さくしてカフェインの摂取量を減らすのもいいと思います。
④インスタントに切り替える
インスタントはレギュラーコーヒーの半分ほどのカフェイン量しか含まれていません。味にこだわりがない方はこちらもオススメです。
⑤深煎りのコーヒーに切り替える
カフェインの量は焙煎の具合でも変わります。焙煎が深くなればなるほどカフェイン量は減っていくので、浅煎りで飲まれている方は深煎りに変えただけでも効果的です。
いかがでしたか?カフェインは交感神経に働きかけますが、コーヒーの香りは脳にα波をもたらしリラックス効果をもたらしてくれます。つまり副交感神経にも働きかけてくれるので「必ずしもコーヒーは天敵ではない」ということです。コーヒーの特性を知って、これからも上手く付き合っていきたいですね。
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