本と音楽とコーヒーって、よくみる組み合わせだと思いませんか?なんかしっくりくるし、おしゃれな感じもして、プラスイメージの方が強いよなぁと思う。「本と音楽とコーヒーが趣味です」なんていわれたら、「なんかすごい」と思いません?でも不思議と嫌味な感じはしないんですよね。
この3つが一気にそろう象徴的なものが、喫茶店だと私は思っていて、自分の好きな本を読んで、好きな音楽に浸って、お気に入りのコーヒーを飲む。まさに“自分の時間を過ごすひととき”。ただ当たり前だけど、コーヒーは、誰かに入れてもらう必要があって。一杯一杯、丁寧に入れてもらったコーヒーは、本当においしい。
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コーヒーは自分でいれるより、人にいれてもらう方がうまいんだ
「かもめ食堂」という映画があります。ご存知でしょうか?簡単に紹介すると、これはフィンランドを舞台にした映画です。日本人が経営する小さな食堂を舞台に、3人の女性が奮闘する様子が描かれています。終始流れている雰囲気は、まぁなんともゆるやかで。まったりとした気分になります。
この映画にはコーヒーにまつわる印象的なシーンがあって。それは、おいしいコーヒーを淹れるためにおまじないをする場面。食堂に来店してきた男性が、コーヒーに指をつき指して「コピ・ルアック」とつぶやくんです。「何このメルヘンチックな感じ!」と思っちゃうのですが、この男性がそのあとこういうんですね。
「コーヒーは自分でいれるより、人にいれてもらう方がうまいんだ。」と。なるほど。誰かに何かをしてもらう。そしてそれを受け取る。単純なことなんだけど、人間には必要な瞬間です。
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ラブドリとは何か
実は日本には「大切な人に愛をこめて、コーヒーを淹れましょう」という、取り組みがあります。「ラブドリ」っていうんですけど。耳にしたことはありますか?
聞いたことがない人の方が多いんじゃないかな、と個人的には思うんですけど、日本家庭用レギュラーコーヒー工業会というところが提唱している概念です。「大切な人に愛(ラブ)をこめてレギュラーコーヒーをドリップする」という行為を、「ラブドリ」と名付けています。
コーヒーをドリップでおいしく淹れようと思ったら、どうしてもゆっくりお湯を注がなくてはいけませんから。「人は人のために何かをしたときの方が、満足度が高い」といわれることもあるくらいです。せっかくなので誰かのために、おいしい一杯を淹れてみるのは、いかがでしょうか?
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ラブドリは必ずしもレギュラーコーヒーである必要はない
とはいえ、個人的にはレギュラーコーヒーにこだわる必要もないかと。缶コーヒーでもインスタントコーヒーでも、なんでもよいと思います。ようは心。
例えば、「落ち込んでいるときに、差し出された缶コーヒー」ありがたいですよね。それから、友人男性からこんな話を聞いたことがあります。「彼女の家に初めてお泊りしたときの朝、何気なく出されたブレンディのスティックカフェオレ。これなんて、絶対忘れない」だそうです。
「コピ・ルアック」はおまじないではない
「せっかくなので、私も大切な人のためにコーヒーを淹れようかな。そうだそうだ。お湯を注ぐ前に、おまじない。「コピ・ルアック」」…変な人に思われないようにこっそり、心を込めて、っと。
しかしこの「コピ・ルアック」。実は、おまじないの呪文ではなく、コーヒーの名前なんですよね。ご存知でした?
私もどこかでも聞いたことがあるなぁと思っていたら、「最高の人生の見つけ方」にも登場していました。いい映画なので、ぜひ。時々見直したい映画って、こういう映画のことをいうんですよね、きっと。
では、「コピ・ルアック」とはどんなコーヒーなのか。なんとジャコウネコの糞から採られるコーヒー豆のことなんです。ジャコウネコは、真っ赤に熟したコーヒーの実だけを選んで食べるのだそうで、コーヒー豆だけ未消化のまま糞として排泄されます。その排泄されたものを洗浄し乾燥させたものが「コピ・ルアック」です。
大丈夫です。決して汚くはありません。どうもジャコウネコの消化液が豆に浸み込み、豆に含まれる物質が微妙な化学変化を起こし、豆が美味しくなるとか。コピ・ルアックは、もともと産出量が少ない上に、ジャコウネコ自体も少なくなっているようで。とても希少で、高価になっています。
「コピ」はインドネシア語でコーヒーのこと、「ルアック」はマレージャコウネコの現地での呼び名。大切な人と映画を見ながら、コピ・ルアックをラブドリ!私からのご提案です。
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