世界で最も飲まれているかも? コートジボワール産のコーヒーの特徴とは

世界で最も飲まれているかも? コートジボワール産のコーヒーの特徴とは

アフリカ西部の海沿いに位置する国「コートジボワール」(Côte d'Ivoire)は別称として「黄金海岸」「胡椒海岸」「奴隷海岸」「象牙海岸」とも呼ばれています。由来はそれらの物がコートジボワールの海岸から輸出されていた経緯からなのですが。 日本でも一時期よりずっと「象牙海岸共和国」と呼ばれていました。年配の方なら耳に馴染みがあるかもしれません。 ですが近年では「コートジボワール」と国名でのみ呼ばれています。 コートジボワールは、コーヒーの輸出が現在(2018年)国内の輸出産業で2位の規模を誇っています。世界的に見ても10何番目に位置するコーヒー大国なのです。 ちなみに国内輸出品1位はカカオで、これはぶっちぎりで世界1位です。チョコレートに関しては王国といって良いでしょう。 また、コートジボワールといえばサッカー選手の「ドログバ」があまりに有名ですね。彼によって同国の名が世界中に知れ渡ったといっても過言ではありません(笑)

コートジボワールのコーヒーとは?

コートジボワールのコーヒー、それだけ多く出回っているといいながらあまり見かけませんよね。どうしてでしょうか。 答えは、コートジボワール産のコーヒーはほとんど全てが「ロブスタ種」だからなのです。 ロブスタ種(カネフォラ種とも呼びます)は、世界中に出回るコーヒー「アラビカ種」と違い、そのまま(ストレート)で飲まれることはほぼありません。大半がブレンドやインスタントコーヒーなどに用いられているのです。 ですのでコートジボワールコーヒーは、その規模からは不思議とその名が見かけられない品種として今もあるのですね。実際、インスタントやパック、もしかしたら缶やボトルなどで皆さんが飲まれているコーヒーもコートジボワール産である可能性がありますから、ある意味ではとても身近なのかもしれません。

コートジボワールとコーヒーの歴史

コートジボワールでのコーヒー栽培は、歴史資料によりますと、1931年頃より始まったとされています。フランスの植民地であった同国は、フランス人によって開拓され、コーヒー農場が多く作られました。 そしてコーヒー生産は1960年の独立後より、最盛期を迎えます。一時は世界3位まで上りました。 ですがコートジボワール、2000年代頃は政治的不安定な状況が続き、内戦、クーデターなどが立て続けに起こります。その影響でコーヒー産業も落ち込み、一時は世界3位だった輸出量は激減、年間3万トンと最盛期の一割程度まで落ちてしまうのです。 その後、国の情勢は安定を取り戻し、またコーヒー産業も拡大。現在ではアフリカでもトップクラスのスケールでコーヒーを栽培、輸出する大国に戻ることが出来ました。 波乱万丈、コートジボワールコーヒーに歴史あり、ですね。

まとめに

コートジボワールのコーヒーは、ロブスタ種であることからそのまま入手するのは中々難しいですが、飲んでみて「味がない」とか「苦い!」とかいう感想をリークしている方もちらほらいるようです。 ロブスタ種はアラビカ種と比べてカフェイン量も二倍ほどあるらしいので、そのまま飲むのは中々勇気がいるかもしれません。ロブスタ種の特徴は何よりも「丈夫さ」にあり、栽培時の環境の変化や病気にも強いというところですから。 ですがまあ、コーヒーは玄人好みの趣向品でありながらも、誰にも手軽に届けられるポピュラーなドリンクでもあります。 コートジボワールコーヒーは後者に向けて作られた「身近な珈琲」に多く用いられ、実のところ、世界で最も多くの人に飲まれているコーヒーなのかもしれないのです。
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