コーヒーはまあまあ好きだけど、わざわざハンドドリップして時間と手間をかけて作るほどの興味はない。だけど、インスタントコーヒーはあまりにも不味すぎるから飲みたくない。ボタンひとつで美味しいコーヒーが飲めたらいいのに...。
そんなコーヒーに対する関心具合が”中くらい”の人に対してネスカフェアンバサダーはドンピシャの大ヒットを記録しました。パックに入ったコーヒーの粉をセットして、ボタンを押すだけでハンドドリップほど美味しくはないけどインスタントコーヒーよりは美味しいコーヒーを作ることができます。
ネスカフェのマーケティング戦略も功を奏し、オフィスや家庭を中心に大ヒットしており、僕の今の会社にも置いてあり、僕の以前の職場にも置いてあったのでたまに飲んでいました。そんなネスカフェアンバサダーを超える可能性があるコーヒーマシンがSmart Coffee Technologyというアメリカのシリコンバレーで活動するスタートアップにて開発されていて話題になっています。
会社名:Smart Coffee Technology
創業:2012年
本店:カリフォルニア州パロアルト
資金調達額:不明
- 参照記事
- 機械がコーヒーを自動作成するカフェがついにオープン!-Cafe X
ワンクリックで鮮度の高いコーヒーが飲める
Smart Coffee Technologyがネスカフェアンバサダー超えするのではないかと期待される一番の理由は、鮮度が高くて美味しいコーヒーを飲むことができるからです。日本と同様にアメリカでもネスカフェアンバサダーのようなサービスは流行っています。
確かにネスカフェアンバサダーでは簡単に作ることができるのですが、インスタントコーヒーの延長線上という印象を拭い切ることができず、”鮮度が悪くて品質がよくないのは分かっているけど簡単だから飲む”という人が多いです。
誰でもすぐに簡単にコーヒーを作れるようにするために、コーヒー豆を加工して鮮度を落とすことは当然のプロセスです。すぐにコーヒーを飲めるようにするためにネスカフェアンバサダーなどではコーヒー豆を挽いて粉の状態にしてからパック化しているのですが、Smart Coffee Technologyはここに注目しました。
コーヒーを抽出するにはコーヒー豆を挽いて、粉の状態にしてからお湯を注ぐ必要があります。しかし、粉の状態にすると一気に劣化が進行して鮮度が落ちていくというデメリットがあります。そのために、できるだけコーヒーを飲む直前にコーヒー豆を挽いた方が美味しいコーヒーを抽出することができます。
Smart Coffee Technologyはそこに着眼し、コーヒーを挽いて粉にする前の”コーヒー豆の状態”でパック化して、ボタンひとつでコーヒー豆を挽いてコーヒーを抽出する機械を開発しています。ボタンを押してからコーヒーを挽くことで、コーヒーの鮮度を飛躍的に向上させて、美味しいコーヒーをワンクリックで作れるようにしたいのです。
- 参照記事
- 1億円以上の資金調達したコーヒースタートアップの業界地図
Smart Coffee Technologyのコーヒーマシンはプラットフォーム
日本でネスカフェアンバサダーを飲む場合には、ネスカフェアンバサダーのパック化されたコーヒー豆を買う必要があります。しかし、アメリカではコーヒーマシン自体はネスカフェアンバサダー製のものを使用するが、コーヒー豆は他のコーヒーメーカーが出しているものを使用するというケースが多いです。
あくまでコーヒーマシンは機械でしかなく、言うなればプラットフォームのようなものであり、実際に使うパック化されたコーヒー豆は他の会社のものを使うことがあるのです。そのために、美味しいコーヒーを飲むためにはいろんな会社がパック化されたコーヒー豆を提供してくれた方が良いのです。
しかし、多くのコーヒー会社はネスカフェアンバサダーのようなコーヒーマシン向けの商品開発をすると、コーヒーの鮮度が落ちるのであまりコーヒーを提供したくないというジレンマを抱えていました。コーヒー豆の鮮度を売りにしているのにパック化してコーヒー豆を提供することはできないのです。
そんな会社にとってSmart Coffee Technologyのコーヒーマシンはまさに救いの手です。ボタンを押してからコーヒー豆を挽くので鮮度を維持することができるので、Smart Coffee Technology向けだったら商品開発をしても良いと考えているためです。
Smart Coffee Technologyはまさにこのような会社がコーヒー豆を提供するためのプラットフォームになることを目指しており、ネスカフェアンバサダーに変わるコーヒーマシンを提供しようとシリコンバレーで奮闘しています。
家庭で美味しいコーヒーを提供するためのサービス展開をているスタートアップは多くありますが、その中でもSmart Coffee Technologyはネスカフェアンバサダーのようなコーヒーマシンというニッチではあるが拡大している市場に特化しており、今後の展開が大いに注目されています。
- 参照記事
- IoTをコーヒー業界に応用!wifiで操作できるコーヒーマシン-Spinn