コーヒーにはさまざまな成分が含まれていることで知られています。コーヒーに含まれている成分で最も有名なのはカフェインですが、カフェイン以外にもポリフェノールなど体に良い効果をもたらすと言われている成分はいくつもあります。
そんな中で、あまり知られていませんがコーヒーの成分として「タンニン」という成分があります。これはコーヒー渋味の元であり、人間の身体にさまざまな効果をもたらすと言われています。
今回はそんなコーヒーの成分の一つであるタンニンについて、そもそもタンニンとは何か、タンニンの効果・効能は何か、コーヒーのタンニン含有量はどれくらいなのか、などについて書いていこうと思います。
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コーヒーのタンニンとは何か
コーヒーのタンニンとはひとことで言うと、コーヒーに含まれている成分の一つです。1杯のコーヒーには実はいろんな成分が含まれていますが、その中の一つがタンニンです。
コーヒーの渋味の元はこのタンニンとも言われています。タンニンの体にあまりよくない効果があることでも知られており、コーヒーを飲んだ後に貧血になる原因や、コーヒーを飲むと歯が黄ばむ原因がこのタンニンであるとも言われています。
タンニンはコーヒーだけではなくていろんな飲み物に入っているのですが、その中でもコーヒーはタンニンの含有量が多いとのことです。
コーヒーのタンニンは貧血の原因になる
コーヒーに含まれているタンニンは貧血の原因になると言われています。これはタンニンに鉄分の吸収を阻害する効果があるためです。
タンニンには鉄イオンと結びつく性質があり、たとえ鉄分を多く含む食べ物を食べたとしても、タンニンによってその吸収が阻害されてしまいます。たとえ鉄分を含む食べ物を食べても体内に吸収されなければ意味がないので、結果として鉄分不足で貧血になるのです。
そのために貧血に気を使っている人はコーヒーを飲むタイミングを食事の前後1時間ずらすなどする必要があります。また、タンニンは深煎りの焙煎であればその量も減っていくので、深く焙煎して苦めなコーヒーを飲むのも貧血を避ける一つの方法です。
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コーヒーのタンニンは歯の黄ばみの原因になる
コーヒーを毎日飲むと歯が黄ばんでくると言われていますが、それはコーヒーのタンニンが一つの原因になっていると言われています。タンニンはカルシウムや鉄など金属イオンと結びつきやすい性質を持っており、そのために歯に付着しやすいのです。
そして一度付着するとなかなか取ることができないので、結果として歯が黄ばんでくるというわけです。歯が黄ばむのを防ぐには、コーヒーを飲んだ後に軽く水で口をゆすぐと良いらしいです。
他にも”歯の消しゴム”なるものが最近では売られており、一度黄色くなってからも自分である程度は元に戻せるようです。本格的に歯の黄ばみを取りたい場合には歯医者さんに相談するのが一番です。
余談ですが、最近ではコーヒーによる歯の黄ばみを解決するために海外のベンチャー企業が「クリアコーヒー」という透明なコーヒーを開発したようです。ヨーグルトが水のように透明なものも最近日本では売られていますが、それのコーヒー版のようなイメージです。コーヒーも時代とともに進化していくんですね。
カフェインレスコーヒーでもタンニンは入っている
よくある誤解に、カフェインレスコーヒーにすればタンニンの問題も解決できるのだろうというものがあります。しかし、カフェインレスコーヒーにしてもタンニンは残り続けるので特に意味がありません。
カフェインレスコーヒーはあくまでカフェインが大幅にカットされているだけであり、タンニンやクロロゲン酸といったコーヒーに含まれている他の成分は残り続けるためです。
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コーヒーのタンニン含有量
タンニンが含まれているのは何もコーヒーだけではありません。緑茶や紅茶などにもタンニンは入っていることが知られており、タンニンの摂取を気にするのであればそれらの飲み物にも気を使う必要があります。
それぞれのタンニンの含有量の目安は下記の通りになっています。
100mlあたりのタンニン含有量
・コーヒー(110mg)
・インスタントコーヒー(52mg)
・紅茶(37mg)
・緑茶(18mg)
・烏龍茶(32mg)
このようにコーヒーにはタンニンという成分が含まれており、貧血や歯の黄ばみの原因になっていると言われています。それらの症状が気になる人はうまくコーヒーを飲むタイミングをコントロールしてタンニンと上手に向き合うことが必要です。
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