コーヒーは世界中のいたるところで栽培されています。世界で最も生産量が多いのは南米のブラジルであり、最近ではサードウェーブコーヒーの影響でアフリカ産コーヒー豆が人気になりつつあります。
しかし、日本と同じアジアのタイもコーヒー豆の栽培を行っており、今や世界的なコーヒー豆の生産地になりつつあります。特にインスタントコーヒーなどによく使われるロブスタ種の生産が多く、コーヒーの消費を支えています。
今回はそんなタイ産コーヒー豆の特徴について、その生産状況やタイ産コーヒーで有名なドイトンコーヒーなどについて書いて行こうと思います。
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タイ産コーヒー豆の特徴
タイ産コーヒー豆はその特徴として、生産量が多いことがあげられます。タイで生産されるコーヒー豆は世界的にもその量が多いことで知られており、アジアでは三番目に大きなコーヒー生産国です。
タイでは北部と南部でコーヒー豆の栽培状況が大きく異なっており、南部ではロブスタ種という味はそこまで美味しくないものの栽培しやすいコーヒー豆が生産され、北部ではアラビカ種という味が美味しいけれども栽培が難しいコーヒー豆が生産されています。
生産量でいうと南部のロブスタ種がその大半を占めており、タイの輸出産業を大きく支えています。しかしロブスタ種のコーヒー豆は味があまりにも強いのでブラックコーヒーとして飲まれるよりも、インスタントコーヒーや缶コーヒーの原料として使われることが多いです。
タイの北部でのコーヒー豆の生産に関しては、実はアヘン栽培の変わりとしてコーヒー栽培が始まりました。もともとタイ北部ではアヘンが盛んに栽培されていたのですが、アヘンの生産をやめてコーヒーの栽培に農民を切り替えさせたのが始まりでした。
ここはもともと標高も高いのでコーヒー豆の栽培に適しており、質の良いアラビカ種のコーヒー豆が今では栽培されています。
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ドイトンコーヒーはタイで有名なコーヒー豆
タイ産のコーヒー豆を日本で見かけることはあまりありません。インスタントコーヒーの原料として実は使われていることはあっても、コーヒー豆そのものとして売られていることはレアケースだからです。
しかし、その中でもドイトンコーヒーに関しては、カルディなどのチェーン店をはじめいろんなお店で売られています。このドイトンコーヒーはタイの代表的なアラビカ種の高級コーヒー豆であり、日本でも一部の人によって好んで飲まれています。
ドイトンコーヒーはタイ最北部のミャンマーとの国境付近で栽培されています。アヘンの生産を行っていた農民たちの生活を守るために代わりにコーヒー豆を栽培させてできたのがこのコーヒー豆なのですが、今ではひとつのブランドとしての地位を築きました。
ドイトンコーヒーの”ドイ”はタイ語で”山”という意味であり、”トン山で栽培されたコーヒー豆”という意味なのですが、深い苦味と強めなコクが特徴です。スパイシーさも持っており、同じアジアのインドネシア産のコーヒー豆に似ているものがあるのかもしれません。
タイのコーヒー豆はもともとは南部で生産される苦味がとても強いロブスタ種がメインだったので、ミルクや砂糖をたっぷりと入れる習慣があります。そのために現地ではドイトンコーヒーも甘くして飲む習慣があるようです。
このようにタイ産コーヒー豆はインスタントコーヒーなどに使われることが多かったのですが、最近では高級なアラビカ種コーヒー豆も栽培されるようになり、日本でも飲まれ始めてきています。興味がある方は是非一度試して見てください。
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