コーヒー豆は世界中のあらゆる場所で生産されています。気候条件などの制約があるので、コーヒーベルトと呼ばれている赤道付近でしか生産することはできないのですが、コーヒーベルトには多くの国々が存在しています。
アフリカ大陸の国々もそんなコーヒーベルトが通っており、今回ご紹介するウガンダ共和国もコーヒーの生産国の1つです。ウガンダではロブスタ種の低品質コーヒー豆の生産が多かったのですが、最近ではアラビカ種の高品質コーヒー豆の生産も増えてきています。
目次
1). そもそもウガンダとはどんな国か
2). 「ギブス」などウガンダ産コーヒー豆の栽培方法
3). ウガンダ産コーヒー豆はロブスタ種が多い
4). ウガンダ産コーヒー豆の味
そもそもウガンダとはどんな国か
あまり日本ではウガンダは馴染みのない国だと思いますが、ウガンダはアフリカ大陸の東部に位置しており、コーヒーの生産国として有名なケニアやタンザニアなどに囲まれた内陸国です。
ウガンダの面積は約24万㎢で日本の本州と同じくらいの大きさです。人口は約4,000万人で日本の1/3くらいしかいません。国の真ん中を赤道が通っており、自然に恵まれています。その美しさから「アフリカの真珠」というニックネームがついているくらいです。
農業が国を支えており、トウモロコシやアボカドなどが作られていますが、その中でもコーヒーはウガンダの経済を支える主要な農産物の1つであり、国民の中でもコーヒー産業で働いている人が多いです。
- 参照記事
- コーヒー豆の産地と栽培条件の特徴について【保存版】
「ブギス」などウガンダ産コーヒー豆の栽培方法
ウガンダ産コーヒー豆の中でも「ブギス」が高品質なアラビカ種のコーヒー豆として知られています。「ブギス」はケニアとの国境付近のエルゴン山脈で栽培されており、標高は2,100m〜2,300mとコーヒー豆の栽培に適切です。
赤道付近であるためにもともとは気温が暑いのですが、コーヒー豆の栽培されている標高の高い産地の平均気温は20度前後と快適です。さらに昼夜の温度差が10度以上あり、身の引き締まった美味しいコーヒー豆を栽培することができます。
年間降水量はサバンナ気候であるために1,200mmと十分であり、熱帯特有の日照量と、ミネラルを含んだ肥沃な火山灰性の土壌がウガンダのコーヒー豆の栽培を支えています。
ウガンダ産コーヒー豆はロブスタ種が多い
あまり知られていないのですが、ウガンダはエチオピアに次いでアフリカの中でもNo.2のコーヒー豆の生産国です。日本ではキリマンジャロコーヒーが人気なのでタンザニアのコーヒー豆が知られていますが、世界的に見たらウガンダの方が生産量が多いのです。
しかしウガンダ産コーヒー豆の大部分は低品質なロブスタ種のコーヒー豆です。これもあまり知られていないのですが、もともとウガンダがロブスタ種発祥の地だと言われています。その歴史的な経緯や栽培状況などの理由からコーヒー輸出量の80%以上はロブスタ種です。
一方でアラビカ種のコーヒー豆の栽培も一部のウガンダのエリアで行われています。アラビカ種のコーヒー豆の栽培はエチオピアから持ち込まれて20世紀から始まり、歴史的にも浅いです。しかし日本でも一部のカフェでウガンダ産のアラビカ種のコーヒーが提供されています。
ウガンダはコーヒー豆の輸出に経済が支えられており、100万人以上の小規模農家がコーヒーを栽培しています。特にアラビカ種のコーヒー豆が生産されているエリアでは、農薬や化学肥料を使わない方法で栽培されており、オーガニックコーヒーとして人気を得ています。
ウガンダ産コーヒー豆の味
そんなウガンダ産コーヒー豆の中でもアラビカ種の味の特徴ですが、ひとことで言うと、口当たりがよくまろやかなコーヒーの味です。アフリカ産の割には酸味はそこまで強くはないのですが、フルーティーな香りがします。
コクはしっかりとしており、雑味がなくクリアな味わいです。ケニアなどアフリカ産のコーヒー豆が好きな方であれば、比較してウガンダ産コーヒー豆も飲んでみたら面白いかもしれません。
- 参照記事
- ゲイシャなどパナマ産コーヒー豆の特徴